生徒数減少などにより本年度閉校する新潟県上越市柿崎区の県立久比岐高校で2025年10月25日、閉校式典が行われた。全校生徒12人をはじめ、同窓生や旧職員ら約230人が20年の歴史に思いをはせたほか、体操男子・五輪金メダリストの内村航平さん(36)による記念講演も行われた。

同校は2006年に旧柿崎高と旧吉川高が統合し開校。頸北地域唯一の高校として、これまで1437人の卒業生を送り出してきた。開校当初は400人以上の生徒がいたが、少子化などによる定員割れが続き、2020年度から1学級募集となり、2024年度に募集を停止した。現在は最後の卒業生となる3年生12人のみが在籍している。

式典で山田喜昭校長は「本校が歴史を刻んでこられたのは、生徒との関わりを大切にしてくれたPTA、同窓生、地域のおかげ。久比岐高校で学んだことや得たことが、皆さんの心の支えになってくれることを願っている」と述べた。

代表の女子生徒は学校生活を振り返りながら、「人と人とのつながりを大切にできる心の居場所のような学校。ここで学び笑っていた私たちがいたことをずっと忘れず、歴史と思いを受け継ぎながら力いっぱい生きていく」と語った。


式典後には内村さんが「これから未来へ羽ばたく若者たちへ」をテーマに講演。自身の競技人生から得た目標達成に必要な没頭力、継続力、思考力の三つの柱を説明し、「できないでなく、どうやってできるかという思考を持てると、何事も才能はいらない」とアドバイスを送った。

また得意種目の鉄棒も披露し、離れ技のコバチやコールマンを決め、会場を沸かせた。

