【動画】上越市で唯一板倉区に伝わる「はしごのぼり」の妙技4年ぶりに披露

新潟県上越市板倉区で2024年6月9日、明治時代から同区に伝わる「はしごのぼり」が同市消防団板倉方面隊によって披露された。同区のはしごのぼりは市内唯一で、コロナ禍や元日の能登半島地震の影響で、4年ぶりの伝統妙技のお披露目となった。

4年ぶりに披露された上越市消防団板倉方面隊のはしごのぼり

1887年(明治20年)頃、江戸の町火消しの技が伝わったのがルーツとされ、以来約140年にわたって受け継がれている。はしごのぼり隊は約30人で、このうち高野地区の隊員を中心とした30代後半から40代後半の9人が、高さ約7mのはしごに登って演技をする「乗り手」を務める。

毎年1月の同市消防団出初式や6月の同方面隊総合訓練などで演技を披露していたが、コロナ禍で見送りが続いた上、今年元日の能登半島地震の影響で出初式が中止となり、披露の機会を逃していた。

まといを振りながら木遣り唄で行進

この日は、板倉運動広場(同区針)で駆け付け放水訓練やポンプ操法などの消防団訓練の最後にはしごのぼりを実施。まといを振りながら木遣(きや)り唄で行進した後、四方からとび口で支えたはしごに乗り手が順に上がった。火災現場を探す「一本遠見」や肘をついて横になる「邯鄲(かんたん)夢枕」、3人でバランス技を同時に行う「大の字」など18の技が次々決まると、見学に訪れた地域住民などから盛んに拍手が送られた。

個人や複数人による妙技に観客から拍手が送られた

市内では大潟区の大潟方面隊にもはしごのぼりの伝統があったが、団員の減少などで今年2月で活動を終了し、板倉方面隊が唯一となった。

はしごのぼり隊長の藤巻吉明さん(42)は「けがなく無事披露できほっとしている。板倉の伝統なので現役が頑張り、次の世代に繋いでいきたい」と話した。