妙高市に里山体験ができる古民家宿「MAHORA西野谷」 台湾出身女性がオープン

田園風景広がる新潟県妙高市西野谷に2024年4月、築120年の古民家を改装した1棟貸しの宿「MAHORA(マホラ)西野谷」が誕生した。台湾出身の蔡紋如(サイ・ウェンル)さん(37)が、宿泊だけでなく、田植えや山菜採りなどの里山体験も提供し、地域の魅力発信や交流人口の創出を目指す。

築120年の古民家を改装した体験型宿泊施設「MAHORA」

台湾の大学で経営学を専攻し、日本語も学んでいた蔡さんは、卒業後の2010年にワーキングホリデーで初めて日本に訪れた。一度帰国しメーカーで営業職を務めた後に再び来日し、東京でIT営業を経験。結婚を機に2014年、同市に移住した。元々旅行が好きだったことから、独学で旅行業務取扱管理者資格を取得し、妙高ツーリズムマネジメントでインバウンド誘客などに携わっている。

2022年には京都大大学院に入学して観光経営学修士も取得した。在学時に「古民家で何かできたら面白そう」と思い立ち、自宅近所の空き家を購入。全国各地で古民家の活用例を視察する中で、妙高の暮らしを伝え、地域との交流も生む体験型宿泊施設にしようと決めた。愛知県出身で同市で米農家となった夫の服部純さん(40)と合同会社を立ち上げ、運営している。

MAHORAをオープンした蔡さん

太い梁がのぞく高天井や囲炉裏など、古民家らしさを生かした180平方mの平屋で、設計は同大教授が務めた。畳の和室3部屋、バス、トイレのほか、地域のコミュニティースペースを兼ねて牛小屋を改装したシェアキッチンもあり、自炊できる。台湾から直輸入した寝具や、建物に合わせてデザインされた照明など、こだわりがつまっている。宿名はすばらしい場所や住みやすいところを意味する古語から名付けた。

元の建具をそのまま活用した和室

台湾から直輸入したこだわりの寝具を使ったベッドルーム

季節に合わせ山菜狩りや田植え、稲刈り、野菜収穫、竹の流しそうめん、郷土料理作りなど体験プランを用意した。「ここで交流した地域の人に会いに来たくなるような、妙高に来るきっかけの一つになれば」と願う。

最大8人が泊まれて、素泊まり2名1泊で1棟4万3500円から(7月21日までのキャンペーン価格)。体験プランのほか、囲炉裏で調理する夕食などの食事もオプションで追加できる。予約はホームページから。

地域の交流スペースも兼ねたシェアキッチン

またシェアキッチンではシェフを招いた飲食イベント、カフェや物販のポップアップ、作品展などさまざまな活用を考えており、持ち込みの企画も募集している。蔡さんは「地域の人が集まり、いろいろな関係性が生まれる面白い場所にしたい」と話している。

 

mahora-stay.com