オーストラリア・カウラ市長らが上越市を訪問 平和への思いや友好確認 

新潟県上越市と平和友好交流関係にあるオーストラリア・カウラ市のルース・フェイガン市長らが2024年4月22日、同市を訪問した。市役所で中川幹太市長と面会したほか、第二次世界大戦中にオーストラリア兵が収容されていた直江津捕虜収容所跡地である同市川原町の平和記念公園では、追悼碑に献花して平和への思いを共有した。

平和記念公園を訪れたフェイガン市長(右から3人目)と中川市長(同2人目)ら

両市は互いに捕虜収容所があったことから2003年に「平和友好交流意向書」を交わし、職員の相互派遣など交流を続けている。

調印から20年の昨年には、中川市長がカウラ市を訪問。今回は昨年9月にフェイガン市長が新たに就任したことなどから、フェイガン市長をはじめ、ポール・スミス副市長、前市長でカウラ日本庭園・文化センターのビル・ウェスト理事長、ポール・デヴェリー理事の4人の訪問団が6年ぶりに訪れた。

追悼碑に献花するフェイガン市長

平和記念公園では、中川市長や上越日豪協会の関勝代表と共に、収容所で亡くなったオーストラリア兵の追悼碑に献花。同協会の案内で収容所や両市民の交流に関する資料が並ぶ展示館も見学した。

フェイガン市長は「両市は強く永続的な友好を築き、許しと和解の真の意味を世界に示してきた。平和記念公園を守り、私たちの兵士の傷を伝え続けていただいている皆様に感謝します」と述べ、中川市長は「両市が経験した悲劇を二度と繰り返さないために相互理解を進め、将来を担う子供たちの平和な未来に向けてさらに友情を深めましょう」と呼び掛けた。

市役所応接室で歓談する両市長

市役所での面会では、今後の交流事業に対する意見交換などを行った。フェイガン市長は、今年がカウラ市にあった捕虜収容所で起きた日本兵集団脱走事件から80年の節目に当たることから、8月に同市で開かれる慰霊式典へ中川市長を招待。中川市長は出席する意向を示した。

訪問団に上越市の産業などを紹介した

訪問団は同日、市立直江津小学校で児童と交流したほか、23日には市立歴史博物館と旧今井染物屋も視察した。

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