上越市でオープントップバス「宙バス」の試乗会 観桜会や通年観光計画での活用検討

新潟市を中心に走る屋根がない観光バスのオープントップバス「宙(そら)バス」に新車両が登場し2024年4月5日、新潟県上越市の高田城址公園観桜会会場などで試乗会が行われた。前方に室内席を設けたことで長距離移動や荒天時にも対応できるようになり、今後上越地域での運用も見込まれる。

高田城址公園周辺を走るオープントップバス「宙バス」の新車両

宙バスは新発田市の旅行会社「KOKK」が2019年4月に運行を開始した日本海側初のオープントップバスで、5年間で7000人が乗車した。全席の屋根を取り払った開放感と眺めの良さが人気の一方、乗客の快適性を考慮して高速道路を使用する長距離移動はできず、気温や天候が落ち着いている春秋に近距離での走行がメインとなっていた。

前方は室内席、後方は屋根と窓を取り払った開放的な席に

新車両は全49席のうち、前方の28席は一般的なバスと同じく、空調も完備した室内席になっており、遠方へのツアーや通年での運行が可能になった。県内の上越や魚沼地域へもツアーエリアを広げる計画で、自治体などへの貸し出しも検討している。

桜を間近で見ることができる

試乗会は上越市が来年100回の節目を迎える観桜会や同市の通年観光計画での活用も見据え、同社に呼び掛けて開かれた。中川幹太市長や上越観光コンベンション協会の小池兼一郎事務局長、市魅力創造課職員のほか観光関係者ら約20人が参加し、高田城址公園から大町や本町の雁木通りを通るコースを走った。

桜や堀などの景色を満喫する中川市長

従来の宙バスには窓があったが、新車両は柵のみのためより開放感が味わえる。車高は3.7mで一般的なバスよりも座席の位置が高く、中川市長は「目の前に桜が見え、雁木町家も上から見ると違うので、普段見られない景色が楽しめた。観桜会では非常に使えると思う」と話していた。

雁木も同じ目線で楽しめる

パッケージをデザインしたのは妙高市の現代アート作家、佐藤葉月さんで、バス旅の楽しさをポップな色合いと絵柄で表現したという。観桜会会場では多くの人の目を引き、沿道から「楽しそう」などと話しながら手を降る姿も見られた。

車体は側面、後方と絵柄が異なる

同社の小柳肇社長は「自然をガラス越しではなく、生の空気でダイレクトに見られるのが魅力ポイント。上越市はこういうバスに向いているロケーションだと感じた。ハスが咲く時期も面白いと思う」と同市でのツアー企画への意欲も示した。

 

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