妙高市の道の駅あらいで衛星通信網「スターリンク」の実証実験 災害時の通信確保に

新潟県妙高市猪野山の道の駅あらいで2024年3月4日、災害時を想定した通信確保の実証実験が行われた。通信障害が続いた能登半島地震の被災地でも活用された米宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」を使い、設置体制や通信品質が確認された。

スターリンクのアンテナを設置し通信確保の実証実験が行われた

実証実験は災害時における情報発信インフラと、住民への安定的な情報発信の確立に向けたBSNメディアホールディングス(新潟市)の取り組み。県内で唯一の「防災道の駅」に選定されている道の駅あらいなど、県内4か所で行われた。

スターリンクは地球から約550kmの高さにある5000基以上の低軌道周回衛星で、高速通信を提供するサービス。縦約57cm、横約51cmのパネル型のアンテナを屋外に設置し、専用のルーターに接続するだけで、携帯電話の電波が届きにくい山間部や海上、能登半島地震のように通信網が寸断した災害現場でもインターネットが利用できる。

妙高市職員も視察し通信速度などを確認した

この日は災害時の避難所開設を想定し、設置時の体制や天候などの課題の確認、通信速度のテストなどを行った。妙高市の防災担当者も視察し、スマートフォンで動画サイトを視聴するなど試していた。

BSNメディアホールディングス傘下にあるBSNアイネットの坂田源彦イノベーション推進室長によると、平常時には山間部でのITサービス提供などへの活用も視野に入れ、今後も県内各地で実証実験を行うといい、「他の自治体にもこういった仕組みがあることを紹介し、県全体の防災力を高めることにもつながれば」と話した。