上越市の「上越保健医療福祉専門学校」で卒業式 来年度以降は学生不在に 学生確保困難で募集停止中  

新潟県上越地域唯一の介護福祉士養成校「上越保健医療福祉専門学校」(中里雅之校長、上越市西城町1)は2024年3月7日、24期生の卒業証書授与式を高田西城病院川室道隆記念ホールで開いた。同校は学生確保困難などを理由に2023年度以降の学生募集を停止しており、24期生卒業後は学生不在となる。同校は「閉校ではない。時間をかけて十分に検討を重ね、1日も早い再開を目指す」としている。

24期生9人(後列)が卒業した

「『和・道』医療福祉グループ」の一つ、学校法人「仁寿会」(川室優理事長)の運営で、1997年4月に開校した。介護福祉科の単科で、本年度の卒業生9人を含め、603人が巣立った。過去には2020、2021年度にも学生募集を停止していたが、再開の声も多く寄せられたことを受け、介護ロボット実習や英語コミュニケーションなど、独自の新カリキュラムを導入するなどして学生募集を再開。2022年4月には新入学生を迎え、再スタートを切っていた。

本年度の卒業式は3年ぶりの開催となった。卒業生は20〜40代の9人で、式典には卒業生のほか、家族や来賓らも出席。中里校長は卒業生全員に卒業証書を手渡し、「一人一人がたゆまぬ努力を重ねてきた。実践の場でコミュニケーション力を高めて。目標に向かって進んでほしい」、川室理事長は「再び募集停止をしなければならない。近い将来学生募集を再開できることを願っている」と述べたほか、「人を思いやり、いたわることの大切さを積み上げることが人間の豊かさを作り続ける。自身の仕事に誇りを持ち、一人一人が大切な人材であることを自覚して歩んで」とそれぞれ激励した。

中里校長(右)が卒業証書を授与

卒業生を代表し、馬場すみれさん(20)が登壇。「介護老人福祉施設での実習期間中、利用者から『おまんに会えてうれしいわ』と声を掛けていただき、介護福祉士を目指す者としてこれがやりがいだと感じうれしく思った。利用者の真の思いをくみとる介護福祉士を目指したい」と語り、これまで関わった人たちに感謝の言葉を伝えた。

卒業生を代表して言葉を述べた馬場さん

式典後、川室理事長は再度「いつの日か募集再開ができれば。介護研修に重きを置いて続けるが、(学校を)継続することの重要性はある」と話した。

校歌を歌う卒業生たち

来年度からは一般社団法人和・道厚生事業団、社会福祉法人上越老人福祉協会が同校で上越地域の介護福祉士養成の実務者研修、介護員養成の初任者研修を実施することになっている。

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