通年観光計画委託料差し止め求めた住民監査請求棄却 上越市監査委員 手続きの透明性求める意見付記

上越市監査委員は2024年2月27日までに、中川幹太市長が看板公約として策定を進めている通年観光計画の策定支援業務について、業者選定が不公正に行われたなどとして市民が委託料の支出の差し止めを求めた住民監査請求を棄却した。請求を棄却したものの、各種要領に不明瞭な表記があったなどとして「手続きの透明性の一層の向上を望む」とする意見を付記した。

▼監査結果(PDF)

プロポーザル方式で選定された業者は新潟日報社などが出資する株式会社Essa(エッサ、新潟市)で、選定前にエッサ代表が市内部の会議に出席するなど市とエッサが極めて近密な関係にあったことや、選定方法がエッサに有利だったことなどが問題となっていた。市内で民泊などを営む町凌介さん(33)が、昨年12月に住民監査請求していた。

監査委員は、業務委託契約の先行行為となるプロポーザルについて「著しい不公正、合理性を欠いたものもとは認められず(中略)市が被る具体的な損害も認められない」などとして請求を棄却した。

一方、監査委員の意見として、今回のプロポーザルについて「各種要領の記載内容に独自の解釈も可能な不明瞭な表記があったことなど、一部に誤解を生じさせるおそれのある事務処理も見受けられた」「全国的にもプロポーザルに係る住民監査請求が毎年複数件なされている現状を踏まえ、今後、誤解を招くような事務処理が発生しないよう、組織として当該対策の実効性を確保するとともに、手続きの透明性の一層の向上を望む」などと付記した。

町さんは「棄却となったが、市側の落ち度についても言及されていた点は大きな収穫だった。市の政策遂行能力の向上を見守りつつ、市民生活を無視した通年観光計画の遂行については引き続き監視していきたい」とのコメントを発表した。

市はこの問題を受けて今月、プロポーザル方式の実施について統一的なルールを定めたガイドラインを策定している。