上越市牧区で雪下キャベツ「ゆきひめ」収穫始まる みずみずしく甘み凝縮

豪雪地の新潟県上越市牧区棚広で2024年2月、深い雪の下で育てることで甘みを凝縮させた雪下キャベツ「ゆきひめ」の収穫が行われている。今年は市内の直売所への出荷だけでなく、地元の棚広集落でも“掘りたて”を直売している。

雪に埋もれた畑から収穫する雪下キャベツ「ゆきひめ」

ゆきひめは、中山間地で棚田が広がる同集落の農事組合法人「棚広生産組合」(羽深栄一代表理事)が雪を生かした特産品を目指し、昨年度から本格的に栽培している。名称は、すでに同区の特産品として知られる「雪太郎大根」があることから名付けられた。

本年度は漬物用ウリ「カリモリ」の収穫後の昨年8月下旬、10aの畑に1200株を定植。夏の猛暑と少雨対策で、水をタンクに入れてトラックで運び畑にまくなどの苦労があった。畑で根を付けたまま約1か月間雪の下で育て、1月下旬から収穫が始まった。

ショベルカーで除雪後に掘り起こす

2月2日には畑に積もった約1mの雪をショベルカーで除雪した後、組合員ら6人がスコップで雪の中からキャベツを掘り起こした。雪下キャベツは、凍らないよう寒さから身を守ろうと糖分が増えて甘みが増すと言われている。糖度は通常の6〜7度に対し、10度以上になる場合もあるという。

甘みが凝縮したゆきひめ

1個の重さは1〜2kgで、価格は1kg250円。羽深一俊理事(78)は「直売所で売られている雪室熟成などのキャベツよりも値段が高いが、みなさんおいしいと言って買ってくださる。みずみずしく甘みのあるゆきひめを食べてほしい」と話した。

栽培作業やPR活動に取り組む同集落の地域おこし協力隊員、益子泉さん(36)は「生で食べるのもいいし、火を通してもおいしい」とアピールしている。

毎週金曜の午後に収穫し、午後3時から畑近くの棚広生産組合センターで販売している。翌日の土曜には同市大道福田のJAえちご上越農産物直売所「あるるん畑」の店頭にも並ぶ。販売は3月1日までの予定。

問い合わせは同組合090-6792-8139

▽農事組合法人棚広生産組合インスタグラム

毎週金曜午後3時からゆきひめを販売する棚広生産組合センター

棚広生産組合センターの場所