オーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐が、日本で初めて新潟県上越市にスキーを伝えた日にちなんだ「スキーの日」の2024年1月12日、同市大貫の金谷山スキー場で、レルヒ少佐顕彰会が開かれた。少佐直伝の「一本杖スキー」が披露されたほか、関係者ら61人がレルヒ像へ献花し、功績をたたえた。
1911年1月12日、当時の高田の陸軍にスキー指導を行ったレルヒ少佐。その後スキーは全国各地へ普及し、2002年に全国のスキー関係団体がスキーの日を定めた。
レルヒ少佐がスキー指導を開始したとされる午後1時に開会。主催団体の一つ、「レルヒの会」の大西旬会長(74)は「一本杖スキーが市の文化財に指定され、昨年は県文化財保護連盟からその伝承活動に対して表彰を受けた。これらを励みに伝承と合わせて、自然に触れるウィンタースポーツの楽しさと魅力を伝えていきたい」とあいさつした。
はかまなどの衣装に身を包んだレルヒの会のメンバー10人が、レルヒ像近くから一本の長い杖を使って斜面をさっそうと滑り降りた。その後、スキー関係団体や自衛隊高田駐屯地などから出席した一人一人が献花台に花を供えた。またレルヒ祭のたいまつ滑降など、スキー関連のイベントに使われる火として、同祭実行委員会など3団体に「日本スキー発祥100周年の火」が分火された。
地元の市立高田西小からは4年生4人が児童を代表して参加し、「スキー発祥の地が私たちの住んでいる地域の金谷山。誇りに思うのと同時にとてもうれしい」とレルヒ像に向かって感謝を伝えた。
金谷山スキー場は同日に営業開始予定だったが、雪不足のため延期した。オープン日が決まり次第、市のホームページで周知する。2月3、4日の2日間にはレルヒ祭が開かれる。