新潟県妙高市の妙高高原エリア4スキー場に2023年12月から、共通のICゲートシステムが導入された。利便性向上のほか、それぞれのスキー場で使える共通パスも発行し、エリア一帯を楽しむインバウンドなどの長期滞在客も呼び込みたい考えだ。
導入されたのは赤倉観光リゾートスキー場、赤倉温泉スキー場、池の平温泉アルペンブリックスキー場、妙高杉ノ原スキー場。一般社団法人「妙高ツーリズムマネジメント」が入り込み数などのデータ管理、共通パスの発行などを行い、スノーリゾートとしてエリア一体でサービスの向上、プロモーションに取り組む。
自動改札ゲート計34台や発券機など、システム導入にかかる総事業費は1億3000万円。市が6000万円、県が4000万円を補助、残りは各スキー場が負担した。国内でも100か所ほどの導入実績がある「アクセス」社製品が採用された。
ゲートはリフトやゴンドラの各乗り場に設置。センサーが左側にあるため、左胸ポケットなどにICリフト券を入れていると自動で開く。共通パスはオンラインと妙高高原駅近くの妙高高原観光案内所で販売中。各スキー場のリフト券はこれまで通り、現地の売り場窓口で購入できるが、ウェブで事前に購入しておくと、引き換え機にQRコードをかざすだけで発券でき、混雑する窓口に並ぶことなくスムーズに入場できる。
共通パスで4スキー場を巡回するシャトルバスに乗れる実証実験も行い、今後は同様のシステムを導入しているアライスノーリゾート、斑尾高原スキー場とも連携して共通パスの範囲を広げていく計画。来季以降、スマートフォンの専用アプリにリフト券が紐づけられるようになる予定で、発券の必要もなく、券購入からスマートフォン1台で完結する。
昨シーズンの市内8スキー場の利用者数は54万人、過去5年で一番多い2018年度は79万人だった。妙高ツーリズムマネジメントの引場良男会長は「インバウンド客は5〜10日ほど滞在し、妙高高原エリアのファンも各スキー場をそれぞれ楽しまれるので便利な設備。今シーズンは70万人のお客さんを迎えたい」と期待している。