市民活動室を市議が政治活動に利用 上越市職員も勤務時間中に参加

新潟県上越市土橋の市民プラザ内にある市民活動室を市議会議員が政治活動で利用し、今年5月に職務時間中の市職員が参加していたことが2023年11月9日までに、分かった。市は、市議による市民活動室の政治活動での利用について、本来の設置目的とは異なると判断しており、職員の参加については事実関係を調査し対応するとしている。

市民プラザ2階にある市民活動室

市民活動室を政治活動で利用していたのは滝沢一成市議。今年4月から複数回、市民活動室で「ひとり待ち…市民の皆さんのご意見を聴く会」を開催していた。特定の日時を告知して、時間内に訪れた市民と意見交換するという会だ。

市によると、市民活動室は市民団体の活動促進を目的としており、予約や専有はできないが、市民団体であれば無料で活用できる。一方、市民プラザ内の貸館施設である会議室やホールなどは、利用料を払えば営利活動や政治活動に利用できる。

市民活動室の入り口には「商談、契約、物品の販売、特定の政党・候補者、宗教の利害に関する活動」などはできないという趣旨の張り紙もある。この施設を所管する市地域政策課は、こうしたルールの表現があいまいなことから利用に際して誤解を与えたとした上で、今回の滝沢市議の利用は政治活動であり、設置目的にそぐわないと判断。今後、利用のルールや規定などを明確化するとしている。

滝沢市議は取材に対し「政治活動で使っても問題ないと思って使った。今後市がルールを決めて、政治活動がダメというなら使わないし、いいとなれば使うかもしれない」とコメントした。

入り口には利用目的の説明もある

5月下旬に開かれた会には、勤務中の市職員が参加していた。職員は市民プラザ1階に公務で訪れ、そのついでに2階にある市民活動室で開かれていた滝沢市議の会に参加。滝沢市議に飲み物を差し入れ、若者の政治参加などについて議論したという。

市では職員の行為について「事実関係を調査し、場合によっては処分を含めて対応を検討する」としている。