築140年の町家と現代アート調和 上越市戸野目「こうじや」で作品展

新潟県上越市戸野目の雁木通りにある築140年の町家「こうじや」で、同市春日新田2の石田賢一郎さん(62)の個展「美楽展」が開かれている。奥の土蔵まで続く土間や吹き抜けの茶の間などに、抽象画やオブジェなど約80点が並ぶ。空き家に残されていた古い家財道具や着物なども生かした展示で、古きものと現代アートが調和した空間が広がっている。2023年11月12日まで。

展示作品と石田さん

石田さんは35年間のサラリーマン生活を経て、2020年から創作活動に入った。自身の体験や心象風景を抽象画やオブジェで表現している。会場の町家は元こうじ店で、現在は空き家。石田さんは今年夏に初めて訪れ、雰囲気を気に入り、個展を企画した。

土間の壁や台所にも作品を展示

元住人が残した着物や家財道具も活用

かつての住人の持ち物だった着物や帯もそのまま展示し、使い古された火鉢や和だんすなどにも作品を組み合わせた。土間と並行するかまどやタイル張りの風呂場、台所にも作品を並べ、ジャズのBGMが流れる1階全体が展示会場となっている。作品と建物が調和するよう、展示前に作品を持ち込み、その場で色を加えるなどの調整も施したという。

石田さんならではのユニークなオブジェも並ぶ

石田さんは「不思議な空間で、自分の作品とどのようにコラボできるかと思い個展を企画した。地元の人に来ていただき、(町家という)魅力も発信できれば」と話している。

時間は午前10時から午後4時まで(11日は午後5時まで)。11、12日は奥の土蔵でアナログレコード鑑賞やジャズ演奏がある。臨時駐車場あり。詳しくは石田さんのインスタグラムで。

明り採りのために吹抜けに天窓がある

こうじや

会場のこうじや