日本郵便信越支社は2023年10月、新潟県上越市出身の偉人を全国にピーアールしようと、日本画の巨匠、小林古径(1883―1957)と日本郵便の父、前島密(1835―1919)をモチーフにしたオリジナルフレーム切手2種を発売した。関係者がこのほど中川幹太市長を訪問し、切手を贈呈した。
小林古径は現同市大町に生まれ、美しい描線の品のある作風で県人初の文化勲章を受賞するなど高く評価された。今年生誕140周年を迎え、現在小林古径記念美術館で開催中の生誕記念展に合わせ、切手を製作。同館と同館友の会が選んだ「朝顔」や「子犬」、絶筆の「牡丹」など代表作10点を切手にした。
現同市下池部生まれの前島密は、郵政事業の基礎を築き1円切手の肖像に採用されているほか、鉄道や海運、新聞、教育など多方面で日本の近代化に貢献した。2年後に生誕190周年を迎えることから、顕彰の気運を高めようと切手を製作。幕臣時代や晩年など、郵政博物館(東京都)から提供されたさまざまな時代の前島の肖像や、前島記念館など上越市の前島ゆかりの名所写真を採用した。
日本郵便の関係者から10月17日、切手を受け取った中川市長は「素晴らしいですね」と称賛。日本郵便上越地区連絡会統括局長で浦川原郵便局の本山司局長は「地域の文化を取り上げることで地域貢献になれば」と話した。
切手は小林が1シート84円切手10枚で1330円。前島が1シート63円切手5枚と84円切手5枚で1275円。各500シート発行し、上越、糸魚川、妙高各市の全郵便局と十日町の一部計94局と小林古径記念美術館で販売中のほか、10月25日から郵便局のネットショップでも販売される。