地域に愛された50年 上越市立大島中学校で閉校記念式典

生徒数の減少により、来年4月に新潟県上越市の浦川原、安塚、大島の3中学校が統合し、新たに東頸(とうけい)中学校が誕生する。上越市立大島中学校(宮﨑次朗校長)では2023年10月14日、閉校記念式典が開かれ、全校生徒17人をはじめ保護者や地域住民ら計約100人が50年間の歴史を振り返った。

大島中で開かれた閉校記念式典

1974年に旧大島中、旭中、保倉中が統合し、全校生徒254人で開校した同校は、最後の卒業生となる現在の3年生を含め、50年間で1694人を送り出してきた。しかし近年生徒数の減少が進んだことから、東頸城地域の浦川原区、安塚区、大島区の3中学校の新設統合が決定。浦川原中の本年度の全校生徒数は59人、安塚中は27人で、新設される東頸中は浦川原中の校舎を引き継ぐ。同市教育委員会によると、市立中学校の統合は1990年の潮陵中以来34年ぶりで、区を越えての統合は初めて。

上越市立浦川原中学校

上越市立安塚中学校

閉校式典では、中川幹太上越市長が「地域に愛されてきた学校の歴史が終わることに寂しさを感じていると思うが、今日までの輝かしい歴史や培われてきた伝統はこの先も受け継がれていくと確信している」とあいさつ。宮﨑校長は、同校が長年大切にしてきた言葉として『大島健児奮い立て』『郷土の誇り讃えゆけ』を挙げ、「閉校しても大島の子供たちにとってこの言葉はこれからも生き続ける」と述べた。

校歌を歌う全校生徒17人

学校の歴史を振り返るスライドショーでは、全校生徒が一列に並び、これまで関わった全ての人に向けて「ありがとうございました」と声をそろえた。代表の女子生徒(15)が「大島中で最後に過ごした生徒としての誇りを力に変え、未来へ向かって新しい一歩を踏み出していきます」と誓った。

式典後、閉校記念事業実行委員会の主催で、校舎前に建てた閉校記念柱の除幕式も行われた。

開校、閉校した日付や校章が記された記念柱。現生徒代表と第1回卒業生が除幕した

浦川原中では10月28日、安塚中では11月11日にそれぞれ閉校記念式典が行われる。

上越市立大島中学校