新潟県上越市は防災行政無線システムの更新に向けた屋外スピーカーの鳴動比較試験を2023年7月、同市の戸野目公園周辺で行った。従来型や高性能スピーカーを使い、距離や角度を変えながら音達範囲や明瞭度を確認した。
市が来年度に計画している防災行政無線設備の更新に向けた「市次期防災行政情報伝達システム基本・実施設計」策定の一環。市内329か所ある屋外スピーカーは設置から10年以上が経過しているものが多く、更新を検討している設備の一つで、新たに導入する機材の選定など設計に必要なデータ収集として行われた。
試験では従来のストレートホーンスピーカーと、小型ホーンスピーカーを複数個内蔵することで音を広範囲に均一に届けることができる高性能ラインアレイスピーカーの2種を使用。高所作業車で実際に取り付けられる高さの約15mまで上げ、チャイムや「こちらは上越市です」などの音声をテストした。市危機管理課や業者がスピーカーの直下のほか、住宅地、田園方面など計8か所で聞こえ方を評価した。
同課の今井勝宗課長によると、現在設置されている屋外スピーカーについて、市民からは「聞こえづらい」などの意見や、放送の後に「何と言ったのか分からなかった」という問い合わせが寄せられることもあるという。「市の緊急情報を届けるため、使える既存の設備を生かしつつ、広いエリアをカバーしていきたい」と話した。