国宝・上杉謙信の太刀取得へ市民会議が発足 市内外で募金活動展開へ

新潟県上越市が購入の方針を示している戦国武将、上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」について、市民や企業に寄付を呼び掛ける市民団体の発会式が2016年9月6日、上越商工会議所で行われた。

団体の名称は「国宝謙信公太刀(山鳥毛)収集市民会議」(会長・田中弘邦上越商工会議所会頭)で、太刀の取得と謙信の「義の心」を全国に発信することを目的としている。謙信の顕彰活動に取り組む「春日山城跡保存整備促進協議会」や「謙信公『義の心』の会」、上越商工会議所など市内の15団体などで設立された。

上杉おもてなし武将隊とともにときの声を挙げた 太刀購入の市民会議

発会式には約150人が集まった 太刀購入の市民会議2

太刀は国宝刀剣の中でも最高傑作の一つとされるもので、個人が所有し、現在岡山県立博物館に寄託されている。昨年、所有者から市に打診があり、市はこのほど購入の方針を決めた。評価額は3億2000万円で、市では市民会議に補助金を出し、官民一体で寄付を募るとともに、予算措置を合わせて来年度中に購入する方針。

市民会議は、募金箱を市の施設や企業、団体などに置いて市への寄付を呼び掛けるほか、観桜会や越後・謙信SAKEまつりなどのイベントでの呼び掛けに協力する。また、市では10月からふるさと納税による寄付も受け付け、来年度からは市外の企業を対象とした企業版ふるさと納税も活用する予定だ。

発会式には約150人が集まり、田中会長が「謙信公ゆかりの品の中で最上級の太刀を迎え入れることができるまたとない機会。多くの市民、企業、団体から謙信公の義の心を再認識していただき、太刀を市民の宝として迎える取り組みを進めたい」と協力を呼び掛けた。事業の説明などの後、上杉おもてなし武将隊とともに全員でときの声を挙げた。発会式に続いて県立歴史博物館専門調査員の前嶋敏さんによる「上杉謙信・景勝と山鳥毛」と題した記念講演も行われた。

協力を呼び掛ける田中会長 太刀購入の市民会議3

募金箱は今月中に市の施設などに設置される予定。寄付についての問い合わせは市民会議事務局(市立総合博物館内)025-526-5111。

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