新潟県上越市は2020年2月17日、市が25%以上出資する温浴施設などの第3セクターの経営健全化に向けた検討結果概要を上越市議会に報告した。設立間もない一般財団法人上越市地域医療機構を除いた、対象の24法人すべてが廃止や民営化を含めた何らかの対応が必要と判断された。「市の立場で独自の整理をしたもので最終的には各法人の経営判断」として法人名は公表しなかった。
24法人は、2018年3月期決算で単年度赤字または正味財産が減少している法人や累積欠損金がある会社法法人が多く、全般的に経営が悪化している。このため同市は2019年2月に第3セクターの見直しの考え方や進め方を定めた関与方針を策定。本年度は方針に沿って各法人への聞き取りや実施事業の必要性や採算性などの分析・評価のほか、公認会計士や弁護士などの外部の専門家で構成する有識者会議を設置して一定の方向性を整理した。
市によると、24法人すべてが、事業は必要だが第3セクター以外でも実施が可能なため代替者を確保して法人を解散するなどの「廃止」をはじめ、「民営化」や「他法人との統合」「経営健全化を検討」のいずれかに分類された。「現状維持」の法人はなかった。法人名や分類の対象法人数は非公表。
市の市川均産業観光交流部長は「検討結果の方向性を法人に伝え、合意形成を図っていく。社会情勢の変化を適切に捉え、市と第3セクターで方向性に向けた取り組みを進めていく」と説明した。今後、各法人との協議を進め、法人の具体的な動きに応じて随時、議会に報告や提案を行うという。
対象の第3セクター24法人
雪だるま財団、上越勤労者福祉サービスセンター、浦川原農業振興公社、大島農業振興公社、牧農林業振興公社、清里農業公社、ゑしんの里観光公社、くびき野森林組合、リフレ上越山里振興、よしかわ杜氏の郷、マリーナ上越、エフエム上越、みなもとの郷、やまざくら、新潟県雇用環境整備財団、東頸バス、J―ホールディングス <J―ホールディングス傘下7社>キューピットバレイ(キューピットバレイスキー場)、柿崎総合開発(マリンホテルハマナス)、大潟地域活性化センター(鵜の浜人魚館)、ゆったりの郷(長峰温泉ゆったりの郷)、三和振興(ホテル米本陣)、黒倉ふるさと振興(ゑしんの里やすらぎ荘)、ゆめ企画名立(うみてらす名立)
◇上越市が市議会に報告した資料 (PDF 316.2 kB)
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