新潟県上越市は上越地域医療センター病院(上越市南高田町)の改築について、建設予定地を2017年11月に選定するとした基本構想策定のスケジュールを明らかにした。同病院の改築をめぐっては、地元住民が現在地での建て替えを求めているほか、上越妙高駅近くや金谷地区への移転を求める要望書も各地区の住民からそれぞれ市に提出されている。
旧陸軍以来100年以上の伝統
同病院は1908年(明治41年)に旧陸軍が高田に駐屯すると同時に創設され、38年(昭和13年)に高田陸軍病院と改称された。戦後は国立高田病院となり、2000年(平成12年)に国から上越市に移譲され、市は上越医師会に運営を委託している。
老朽化で改築へ
施設の老朽化などから市は昨年度、「改築に向けたあり方検討委員会」を設置し、機能や規模など今後の方向性などについて検討してきたが、建設地については結論を出していない。
建設地に3地域が要望
建設予定地をめぐっては、現在地での建て替えを含めて3地域の住民が市に要望書を提出している。
昨年10月、金谷地区の住民が上中田北部土地区画整理事業地内への新築移転を求めて市に要望したほか、今年2月には和田地区の町内会長会が上越妙高駅周辺への移転を求め要望書を提出した。これらの動きを受けて、病院のある南高田町など15町内の町内会長は今年3月、「歴史的な経緯や住民の利便性を考慮してほしい」として現在地での建て替えを求める要望書を提出している。
今年11月に候補地選定
市では本年度、有識者や公募の市民委員らからなる「上越地域医療センター病院基本構想策定検討委員会」を設置し検討する。7月から検討を開始し、経営形態、収支計画、建設予定地などについて11月頃をめどに決めて、年度内に基本構想案をまとめる予定だ。
市直営、独法、民営化も視野に
また検討委では、指定管理として上越医師会に委託している現在の経営形態の見直しについても議論する予定。市では市直営、指定管理、独立行政法人化、民間譲渡なども視野に入れている。