新潟県上越市が購入の方針を示している上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」について、「寄付金が集まらなければ税金で購入しないでほしい」と市議会に求める署名運動が2017年1月11日から、インターネットの署名サイト「Change.org」で行われている。
太刀は国宝刀剣の中でも最高傑作の一つとされており、専門家による評価額は3億2000万円。市では官民一体で昨年10月から募金活動を始めており、新年度予算に費用を計上し購入する方針だ。
「寄付金が集まらなければ税金で購入しないと決断してください」と市議会に求めて署名活動を始めたのは上越市岩木在住のタイヤ販売店社長の今井孝さん(47)。
上越タウンジャーナルが昨年8月に実施したアンケートでは市民の半数が購入に反対という結果が出たが、上越市議会9月定例会では、議員30人中26人が太刀購入に向けた補正予算に賛成している。今井さんはこうした状態について「この市民と市議の認識のズレを民主主義の危機的な状況と考えます。上越市議会が本当に市民の代表たりえるのか市民は見ています」と署名運動を始めた。
署名の目標数は、直接請求に必要な数と同じ、有権者の50分の1に当たる約3300人。
今井さんによると、今回の署名は購入反対の署名運動ではないという。今井さんは「購入ありきで市民不在のまま進めてしまうのではなく、もっともっと議論をした上で『もし寄付金が集まらなければ税金では購入しない』という判断も必要」と話している。
署名は新年度予算が審議される市議会3月定例会開会前まで行い、議長に届ける。
市によると、集まった寄付金は1月12日時点で合計約440万円。
署名サイトはこちら。
関連記事
[