新潟県上越市栄町2の塚田こども医院(塚田次郎院長)は2020年4月18日、新型コロナウイルスの感染予防対策として待合室での混雑を避けるため、会計と薬の受け取りを自家用車に乗ったまま行える「ドライブスルー」を導入した。
同院は、入り口に消毒液や使い捨てマスクの設置など通常の感染症予防対策に加え、待合室の絵本やおもちゃの撤去や受付窓口にビニールシートを設置するなどの新型コロナ対策を行っていた。
しかし今月7日に市内で感染者が確認されたことから、待合室での「密集」「密閉」「密接」を防ぐため、会計と薬の受け渡しをするドライブスルーの導入を決めたという。院内での集団感染予防はもちろん、保護者が待合室の混雑を不安に感じて受診を控えることで、子どもが必要な医療を受けられない事態を防ぐためだ。
新型インフルエンザ流行時に建設した隔離棟と医院本館を結ぶ渡り廊下から通路を延長し、1坪タイプのプレハブ小屋を駐車場に面して設置。構想から1週間で完成した。
受診時は、受け付けを済ますと、保護者と患者は一旦駐車場の車で待機する。携帯電話で呼び出しを受けてから、医院建物に入り、診察後もすぐに車に戻る。同院は院内処方のため、会計と薬の受け取りはプレハブ小屋の脇に車を横付けして医院スタッフとやり取りする。
ほとんどが自家用車で来院することや、同市は小学校就学前まで医療費が無料で金銭のやり取りも少ないこともあり、導入後、スムーズに運用されているという。
生後8か月の次男の目の炎症で来院した市内の30歳の父親は「ドライブスルーは初めて利用した。安心して受診できる」と話した。
塚田院長(63)は「小児科医院として何ができるかを考えた。コロナ対策に大いに役立っているほか、他の感染症の流行に対しても利便性が高まる」と話していた。