スマホ使用や画面注視はだめ!「ながら運転」厳罰化で懲役刑も

車を運転中に携帯電話やスマートフォンを使用する、いわゆる「ながら運転」の厳罰化が、道交法一部改正に伴い2019年12月1日から施行された。悪質で危険な「ながら運転」に対し、罰則にはこれまでになかった懲役刑が設けられたほか、違反点、反則金が大幅に引き上げられた。ながら運転についての上越での実態や注意点などを上越警察署交通課に聞いた。

12月1日から「ながら運転」は厳罰化(写真はイメージ。停車して撮影しています)
ながら運転厳罰化1

「ながら運転」とは運転をしながら携帯電話などを手に持っての通話、スマホなどを持ってSNSやメールをチェックする、ゲームアプリを使用する、カーナビなど車内モニターの注視や操作を行うこと。2016年、愛知県でスマホゲーム「ポケモンGO」を操作しながらトラックを運転していた男に小学生がはねられて死亡した事故など、厳罰化は後を絶たない「ながら運転」の歯止めに期待がかかる。

上越の違反は550件

上越警察署によると管内で今年1月1日から11月30日までに携帯電話等を使用しながら発生した人身事故は4件で、5人の負傷者が出たという。この中ではスマホのゲームに熱中し、赤信号に気づかず交差点に侵入し、車と出会い頭で衝突するといったケースなどがあった。「携帯電話等」とは携帯、スマホのほか、タブレット端末やゲーム機なども含まれ、携帯電話等使用など、「保持」の違反は約550件にのぼった。

懲役刑を新たに設置

今回の改正道交法は新たに懲役刑が設けられるなど罰則が強化された。例えば走行中に電話を持って通話した場合、これまでの「5万円以下の罰金」から「6月以下の懲役または10万円以下の罰金」になった。違反点も1点から3点になり、反則金は普通車で6000円から1万8000円となった。表参照。


交通の危険罰則color


保持罰則color

運転中は携帯に触れない

ながら運転厳罰化に関しては連日新聞やテレビ、ネットなどで大きく報じられていることなどを受け、同署への市民からの問い合わせ件数も増えたといい、一般の関心の高さが伺えた。同署によると最も多い問い合わせ内容は「どこからが違反になるのか」。道交法では「自動車又は原動機付自転車を運転する場合は停止しているときを除き(中略)画像を注視しないこと」となど定めている。自動車などが少しでも動いている場合に、画面を注視すれば違反になるが、“セーフとアウト"の線引よりも、運転中は携帯電話などに触れないということが重要だといえる。

イヤホンは片耳で

走行中の通話についてはハンズフリー通話装置やイヤホンなどがあるが、都道府県ごとに違いがある。新潟県ではイヤホンは片耳のみに使用してハンズフリー通話機能を用いれば違反にはならない。ハンズフリーのスピーカーも同様だ。同署は「運転することに集中して事故を起こさないということが大切」と話している。

相手を思いやる気持ち持つ

同署交通課の大島真一課長は「ながら運転」を「スマホ依存傾向」とも指摘。「携帯電話、スマートフォンなどを運転席に持ち込まない意識を持つことが大事。人に対する思いやりを持てば、ながら運転という行為はしないはず。一人一人が運転マナーを高めてほしい」と話している。