国指定重要文化財「木造大日如来坐像」を特別開帳 上越市五智国分の岩殿山明静院で5月7日まで

新潟県上越市五智国分の天台宗岩殿山明静院(長谷川英明住職)に安置されている国指定重要文化財「木造大日如来坐像」の特別御開帳が2023年5月3日、始まった。7日まで。

7日まで特別開帳されている木造大日如来坐像(中央)

明静院は建御名方命(諏訪大明神)が生まれたとされ、奈良時代に名僧行基菩薩が同寺院を開山したと伝えられている。また、上杉謙信が生前、自分の墓を林泉寺と岩殿山に置くよう遺言したとされており、謙信の墓が本堂横に建立され、現在も各地から謙信をしのぶ人たちが多数訪れている。

本堂横に建立する上杉謙信の墓

大日如来はカヤの木の一本造りで、高さは145cm。左手の人差し指を右手の手のひらで覆う智拳印という印を結び、頭上には宝冠、瓔珞(ようらく)などの装具品を身につけている。今から900年前のもので、明治時代には本県で国宝第一号に指定され、1950年に国指定重要文化財となった。大日如来の開帳は本来は1月1〜3日に行われるが、季節などを考慮し、この時期に初めて行われた。

期間中は内陣に入ることができ、大日如来をあらゆる角度から見ることができる

期間中は特別に内陣に入り、大日如来をあらゆる角度から間近で見ることができる。長谷川住職(61)は「(大日如来)は穏やかな顔つきだが、角度によっては優しい表情、険しい表情に見えることもある。見え方は人それぞれ違うが、見え方は見た人の心が表れていると言います」。

同市西松野木に住む75歳と71歳の夫妻は、「穏やかなお顔。こんなに立派な如来様を拝むことができ感動している。自分たちも穏やかになった気分」と手を合わせた。長谷川住職は「立派な仏様があることを知らない方も多い。たくさんの方から拝んでいただけたら」と話した。

拝観料は1人500円。時間は午前9時〜午後5時。参道は県道468号に面しており、入口には看板が目印。市道の参道を約800m進むと10台分が停められる駐車場がある。そこから上り坂、石段など100mほど歩くと像が安置されている本堂が見える。参道の幅は乗用車1台分と狭く、歩行者もいる場合もあるため、対向車とのすれ違いなど、運転には十分注意するように呼び掛けている。詳細は明静院のホームページで確認する。問い合わせは025-543-9800

参道は県道468号に面しており、入り口は看板が目印