新潟県の佐渡汽船小木―直江津航路に2023年4月29日に就航するカーフェリー「こがね丸」が19日、直江津港に初入港した。運行開始に向け、今後1週間程度、試験運行や小木港への着岸訓練などを行う。同航路のカーフェリー就航は約3年ぶりとなる。
同航路では、2015年に就航した高速カーフェリー「あかね」を赤字解消のため2021年6月に売却。2021年4月からはジェットフォイルが運航していた。こがね丸は2001年建造で、愛媛県の宇和島運輸(本社八幡浜市)から佐渡汽船が2022年9月、8億7000万円で購入。今年2月から約2億円をかけて広島県の造船所で改造作業を行っていた。当初は3月25日の就航を予定していたが、船体の改造に必要な部品の納入が遅れたため約1か月延期していた。4月17日に広島を出発し、2日かけて19日午前9時に直江津港に着岸した。
全長約116m、2483総t。定員は584人で、大型バス5台と乗用車64台、二輪車10台を積み込める。乗用車だけでは150台を積載可能。自由席の2等、じゅうたん敷きの1等指定席、特等室のほか、同社初となるペットと一緒に過ごせる「1等ウィズ・ドッグルーム」やドッグランがある。11月12日まで1日2往復で運行し、料金は大人片道で1等5230円、2等3380円、車両は4m以上5m未満が片道2万2010 円。
こがね丸の導入にあたっては、就航後の赤字支援として、県や上越市、佐渡市が総額11億円の行政支援を実施する。
営業部営業企画課の伊藤崇課長は「いろいろあったが、無事直江津港に到着し非常にうれしい。車での乗船と周遊旅行が復活し、佐渡金山の世界遺産登録、北陸新幹線の敦賀延伸などもあり、佐渡ヶ島にご旅行いただきたい」と話した。