新潟県上越市灰塚の城山浄水場の大規模改修工事が始まり、2023年4月7日、関係者が出席して施工業者主催の起工式が行われた。市内最大の同浄水場は、旧上越市内の約6割に水を供給しており、浄水場を稼働させながら工事を行う。完成は2026年3月の予定。
1968年に竣工した城山浄水場は、名立川と桑取川水系の上流6か所から取水した河川水を浄化し、旧上越市内に水道水を送っている。竣工から50年以上が経過し老朽化が進んだため、約3年をかけて屋内にある全ての機械設備を更新し建物の躯体(くたい)も改修する。
総事業費は約55億円。民間ノウハウを活用するため、設計と施工の一括発注方式が採用され、水ingエンジニアリング(東京都)と田中産業(上越市)の共同企業体が設計と施工を担う。ろ過方式は現在と同じ、高速凝集沈殿・急速ろ過方式で、人口減少などの水需要に合わせ、現在3系統で1日当たり5万1000立方mを上限とする処理能力を、2系統4万立方mに縮小する。新たに整備する計測設備による電力消費量の削減や自動監視システムの導入など、経費削減や業務効率化も図るという。
中川幹太上越市長は「城山浄水場は市にとって重要な施設。既存設備を運転しながらの施工でさまざまな制約があるが、安全対策に十分配慮し、優れた技術をいかんなく発揮して無事の竣工をお願いしたい」とあいさつした。
同市ガス水道局によると、工事期間中は年2か月間、同浄水場を全停止する予定で、他の浄水場からの配水で対応するという。