国内で2両だけの「おいらん車」が直江津D51レールパークに登場! 今季営業は18日から

国内で2両のみ現存する国鉄時代の事業用車両「オヤ31形」が、新潟県上越市のえちごトキめき鉄道が運営する「直江津D51(デゴイチ)レールパーク」の展示に新たに加わった。かんざしを挿したような見た目から「おいらん車」の名で親しまれ、2023年3月18日から開始する今シーズンの営業では、その“レア度”から全国各地の鉄道ファンの来場が期待されている。

直江津D51レールパークの展示に新たに加わったオヤ31形

オヤ31形は新線開通などの際に、走行する列車と駅舎などの建造物との間に十分な間隔があるかを調べる試験車。車両側面から突き出た100本以上の「矢羽根」が障害物に当たると、信号で知らせる仕組みとなっている。

矢羽根の仕組みを説明する同社の鳥塚亮社長

レールパークに展示されているオヤ31形31号機は、国鉄が1937年に製造した客車を1957年に改造したもの。所有していたJR西日本と昨年11月に譲渡契約を結び、今月8日に配置された。国内で現存する2両のうち、動態保存されているのはレールパークのみ。

車体の構造などを間近で見ることができるほか、月1回程度で内部の公開も行われる予定。車両内に張り出した矢羽根や、障害物に接触した位置を番号で知らせるランプなどを見学できる。直近では4月1、2の両日公開される。

車両内に張り出た矢羽根と、接触位置を知らせるランプ

今後はD51に連結させて走らせたり、車両内で食事したりするイベントも計画している。同社の鳥塚亮社長は「昭和の時代の働く車はこういう形だったということを見て触れて知って、鉄道に親しんでほしい。これを目当てに全国各地から来ていただきたい」と話している。

人気のSL乗車体験では新たに、運転士の助手として一緒に運転台に乗る体験ができるようになる。開始は4月1日からで、詳細は決まり次第ホームページで周知する。

今シーズンは11月末頃までの主に土日曜祝日に営業する。営業時間は午前9時45分〜午後4時30分。入場料金は中学生以上1000円、3歳以上700円。