「町家の日」の3月8日に合わせ、さまざまなイベントで町家の魅力を発信する「町家の日WEEK」が2023年3月4日から同12日まで、全国各地で開かれる。新潟県上越市高田でも初開催され、町家の見学やコンサートなど多彩な催しが行われる。
町家の日は、マーチ（3月）ヤ（8）の語呂にちなみ、京町家情報センター（京都市）が2017年に制定した。減少する町家の価値や魅力を発信して町家を残していこうと、毎年この日を含む1週間、各地でイベントを実施。今年は京都、姫路、大津、金沢、高田の5か所を中心に行われる。
高田では、30近くのイベントや町家見学を実施する。本町7の老舗呉服店「きものの小川」では、店舗となっている1935年建築の町家を、普段は公開していない40畳以上ある2階も含めて会期中は見学可能としている。
同店は、店舗兼住居だったのを1990年に住居を移したため、それまで来店客が入れなかった吹き抜け部分など、町家ならではのプライベート空間も見ることができ、普段から見学に訪れる県外客も多い。吹き抜けの渡り廊下や精巧な組子を使った欄間、4間が続く広々とした2階、屋根雪を落とす場所として設けられた中庭などを見ることができる。
同店の小川レイ子さん（74）は「若い人が町家を気に入って引っ越して来ることもある。最近は電気やトイレも便利に改装できるので、昔の建物を生かした新築以上の素敵な住まいにできる可能性も持っている」と魅力を語った。今回のイベントについて「いい機会なので、これを機に高田の町に興味を持ってもらえたら。気楽に見てほしい」と話していた。同店では会期中の午前10時から午後5時まで、見学希望と声を掛ければ予約不要で見学できる。まれに不在時あり。問い合わせは025-522-3400。
町家見学はこのほか、瞽女ミュージアム高田（東本町1）で5、11、12日の午前10時〜午後4時（予約不要、500円）、こうじや（戸野目）で11日午後1時〜同3時30分（要予約、無料）に実施。日本最古級の映画館、高田世界館（本町6）も映画上映時以外は館内を自由見学できる（予約不要、500円）。
イベントは、高田町家こめつぶ（本町2）で5日午前10時〜午後4時に竹灯籠の展示販売会と町家見学会、たてよこ書店（東本町2）で4、5日午後0時〜同6時に古本市、あるや（四ヶ所）で5日午前10時〜午後3時に一日限定カフェ、もと山静堂（仲町2）で8日午後2時〜ピアノコンサートなどが行われる。
詳細は「町家の日2023」ホームページで。
