レルヒ祭なのに「レルヒ像」真っ暗 広報紙で告知もライトアップなく

新潟県上越市高田に日本で初めてスキーを伝えたレルヒ少佐をたたえる「レルヒ祭」が2023年2月4、5日に同市の金谷山スキー場で開催されたが、これまでほとんどの年で行われてきたレルヒ像のライトアップがなく、花火が打ち上げられる中、偉人の銅像は冬の暗闇にたたずんでいた。1月に発行された上越市の広報紙には花火を背景にライトアップされたレルヒ像の写真が掲載されていたことから、撮影しようと訪れた写真愛好家やカメラマンからは落胆の声が聞かれた。

レルヒ祭でライトアップされなかったレルヒ像(エムエー・プランニング提供)

ライトアップは2005年から実施

レルヒ像のライトアップは2005年に始まった。年によって実施期間は異なるが、黄金色に輝くレルヒ少佐の姿が冬の夜に浮かび上がり、祭りの雰囲気を盛り上げた。ライトアップされた像の背後に花火が打ち上げられる様子がレルヒ祭のポスターに採用されたり、毎年カメラマンらが訪れ写真撮影をしたりしていた。

2017年のレルヒ祭でライトアップされて光るレルヒ像(同)

「広報上越」にはライトアップと花火の写真

今年1月25日発行の「広報上越」2月号の催しもの紹介ページには、イベント告知記事とともにライトアップされたレルヒ像と花火の写真が掲載された。同祭は今年、少雪やコロナ禍を経て4年ぶりに本格開催となったこともあり、ライトアップが行われると思った市民もいた。

長年、レルヒ像と花火の写真を撮影してきた市内の広告代理店業、寺尾昭人さん(54)もその一人。「行ってみたら真っ暗で、そのうち点灯するのかと待っていたが結局点灯しなかった」と話す。また、SNSなどでも「ライトアップレルヒがあっての花火がレルヒ祭の華じゃないか」「レルヒ像の前で花火と一緒に撮影しようと思ったんだけれど」などの投稿が見られた。

ライトアップされたレルヒ像の写真が掲載された「広報上越」2月号

ライトアップしたレルヒ像と花火の写真を掲載した上越市広報対話課は「ライトアップの写真を撮ろうと期待していた市民には申し訳なかった」と話している。

ライトアップはもう実施しない?

レルヒ祭実行委員会事務局の上越観光コンベンション協会や上越市などによると、数年前にライトアップ用機材が経年劣化で故障し使用できなくなったという。このため2年前の2021年には、コロナ禍で縮小開催となった祭りを盛り上げる意味もあり、市が所有するLED投光器を使ってライトアップした。

コンベンション協会によると、その後は実行委員会でライトアップの検討は行われていないという。

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