新潟県上越市高田に日本で初めてスキーを伝えたオーストリア・ハンガリー帝国の軍人、レルヒ少佐をたたえるイベント「レルヒ祭」(同実行委員会主催)が2023年2月4日午後、同市大貫の金谷山スキー場で始まった。少雪や新型コロナウイルスの影響などで4年ぶりの本格開催で、天候にも恵まれて家族連れなどでにぎわった。今日午後6時30分からは「たいまつ滑降」、同7時からは花火の打ち上げがある。
ゲレンデには今回初めて、上越アクティブスポーツ協会がジャンプ台やレールを設置し、スキーやスノーボード以外にもさまざまなスノースポーツが体験できる「雪上アクティブパーク」(4日のみ)を開設した。長靴やスノーブーツでも可能な、自転車とスノーボードを合わせたようなスノースクートやスノースタントスクートなどが試乗(有料)できるほか、用具の持ち込みも可能。普段同スキー場には訪れない若者が、何度もジャンプしていた。同協会の小竹潤代表理事(33)は、「少雪やコロナでレルヒ祭のにぎわいも下火になっていたので、盛り上げられればと開設した。身近な金谷山でスノースポーツが楽しめることを知ってほしい」と話した。
ソリ遊びの子どもたちにはスノーモービルの乗車体験が人気。妹と乗車した男児(5)は「初めて乗って楽しかった。こわくなかった」と笑顔で話した。父親(37)は「近所なのでレルヒ祭は毎年来ているが、催し物が戻ってきてにぎやかになった。グルメやビールも楽しみ」と話していた。
スキー汁やくびき牛のボルシチ、する天などの約15のブースやキッチンカーが並ぶ「レルヒ屋台村」では今年、レルヒ少佐の故郷オーストリアにちなみオーストリアビールも提供された。オーストリアは2021年の1人あたりのビール消費量が世界第2位(キリンHD調べ)のビール王国という。水着で温めたビールにつかるビールプールもあるほどで、会場にはお湯にビールの入浴剤を入れた足湯も登場した。レルヒ祭に初めて来たという市内の60代の女性は「初めは本当にビールが入っているのかと思った。見た目は温泉みたいで温かくてよかった」と話していた。
夕方にはキャンドル約200個が並ぶレルヒキャンドルロードのほか、ゲレンデでは午後6時30分から「たいまつ滑降」、同7時からは約6、7分間花火が打ち上がるミュージックスターマインがある。
5日は午前9時30分からオープニングセレモニーがあり、レルヒ少佐が伝えた一本杖スキーや陸上自衛隊高田駐屯地の隊員による雪中行軍、スキーのデモンストレーションが披露される。特設ステージでは午後2時から県立上越総合技術高のバンド演奏、越後上越上杉おもてなし武将隊の演武もある。
会場周辺の駐車場は利用できない。寺町駐車場や福祉交流プラザ、高田本町商店街の駐車場を利用し、会場までは無料シャトルバスで来場する。問い合わせは上越観光コンベンション協会025-543-2777。