新潟県上越市北本町4のシステム開発者、山本正和さん(46)が2022年10月に行われた日本商工会議所主催の珠算能力検定の1級試験で、見事満点合格を果たした。2023年1月24日、同市新光町1の上越商工会議所で表彰式が開かれ、山本さんは「努力は報われる」と満点合格を喜んだ。
1級は10桁揃いの加算及び加減算の問題が10題出題されるみとり算をはじめ、かけ算と割り算いずれも20題の計50題を制限時間30分間で実施。満点は300点となる。山本さんが受験した第226回試験には、1級に全国で7294人が受験し、2138人合格。このうち、満点合格者は山本さんを含め、わずか31人だった。
山本さんは上越市内に3か所ある「そろばんあんざんスクール上越」に通う。そろばんは過去、自身が小学5年から中学3年まで習っていたが、約30年間のブランクを経て、現在小学生の2人の娘たちと共に約3年前から再開した。山本さんは教室にこれまで週2回のペースで通っていたが、現在は日曜を除く週6回、夕方の1時間を教室の時間に当てるという。1級はすでに合格していたが、満点合格を目標に挑戦し、4度目で達成した。満点合格に向けては時間短縮のために「両手弾き」の技法もマスターした。
表彰式で賞状を手渡した同商議所の川上宏専務理事は「1級満点合格を目指す人たちの励みになる」などと山本さんのこれまでの努力を讃えた。同商議所によると、上越では山本さんが初めての1級満点合格者。山本さんが通う教室の宮澤麻美代表(47)は「努力をしていた。とうとうやりましたね。黙々と取り組む山本さんの姿は教室で見本になっている」と話していた。
娘たちと共にそろばんに取り組むことで、「一緒に過ごす時間が増える」と山本さん。今後は「(2人の娘と)3人で満点合格を目指したいですね」と笑顔を浮かべた。