上越市の年末恒例「サメの競り」 フライは子供にも人気

新潟県上越市木田3の一印上越魚市場(尾崎徹社長)で2022年12月27日朝、年末恒例のサメの競りが行われた。競り人の威勢の良い声が響く中、氷の上に並べられた18匹のサメが次々と競り落とされた。

気仙沼港で水揚げされたサメ

同市場では毎年、暮れの12月27日にサメの競りが行われる。上越地方では特に山間部で正月料理に煮こごりなどを昔から食べる習慣があり、山間部に暮らす人々の貴重なタンパク源となってきた。また、市内では近年、上越のサメ食文化を普及させるために料理研究家らが新たなサメ料理のメニューを積極的に考案しているほか、市内小中学校の学校給食でも「ふるさと献立」として毎年冬に1〜2回、フライや竜田揚げなどでサメ料理が登場するなど、若い世代にも身近な存在になっている。

午前7時前、品定めする買い手ら

今年は宮城県の気仙沼港で23日に水揚げされた重さ50〜80kgのモウカザメ18匹が競り前日の26日、市場に入荷された。サメは全てオスで、競りの開始前には地元スーパーのバイヤーをはじめ、鮮魚店、飲食店などの買い手たちが1本4〜5等分にぶつ切りされたサメをじっくり品定め。午前7時、競りの始まりを知らせる鐘が鳴ると、競り人の掛け声に合わせ、サメを囲んだ買い手たちが約6分ほどでテンポよく競り落としていった。

威勢の良い声が響いたサメの競りの様子(27日午前7時過ぎ)

尾崎社長(64)によると、この日は1kg当たり3000円の値がついたものもあったと言い、「今年は魚体が大きく身が締まり、とても良いサメだった。煮付けにすることが多いと思うが、フライにするのもおいしい。子供たちもよく食べる」と話していた。