【動画】妙高市が災害時の孤立集落にドローンで支援物資配送 法改正で有人地帯の自動飛行可能に

航空法の改正で2022年12月5日、これまで認められていなかった住宅地など人がいる場所でドローンを自動飛行させる「レベル4飛行」が可能になった。物流などドローンの活用の広がりが期待される中、土砂崩れで道路が寸断し山間部の集落が孤立したとして、ドローンで支援物資を空から運ぶ実証実験が11月29日、新潟県妙高市で行われた。

実証実験の動画

同市は物資配送に限らず、農業や観光などのさまざまな分野へのドローンの活用を推進するため、2022年度に「先進技術社会実装事業計画」を策定。今年7月には長野県伊那市で全国初のドローン配送事業を商用導入したKDDIスマートドローン(東京都)、ドローンの販売やスクールを手がけるROBOZ(ロボッツ・岐阜県恵那市)、ロッテホテルアライ(妙高市両善寺)と活用に向けた連携協定を結んだ。

レベル4飛行は、機体認証と操縦ライセンスの各制度を導入し安全を確保した上で、ドローン飛行の自由度を広げた。実証実験は法改正を前に、1995年7月の7.11水害で一時孤立状態となった集落がある新井南部地域など中山間地の災害対応として、レベル3飛行(無人地帯の目視外自動飛行)で行われた。

使用したドローンは直径約162cm、高さ約64cmの日本製で、目安としては約5kgの荷物を積んで約10kmの飛行が可能。最高速度は時速60km、最大積載量は30kg。あらかじめルートを設定しておくと、携帯電話の通信ネットワークを通じて、ドローン自身が自動で離陸から着陸まで飛行を制御する。

この日、ドローンは包帯などの応急手当て品約3kgを載せ同市小原新田の新井南体育館前を離陸。無人地帯の川沿いを飛行し、約5分後には約4km先の上馬場集落に着陸した。実験を行ったKDDIスマートドローンなどによると、降雪時は飛行できないが、離着陸地が整地してあれば、積雪があっても飛行は可能という。

ドローンが応急手当て品を山間地の集落に運んだ

同市の吉越哲也総務課長は「孤立の可能性がある集落にドローンの自律飛行ができることが大きな成果で、今後具体的に地域に落とし込んでいきたい。ドローン技術が向上すると、物流などの考え方が変わっていく」と期待を込めた。

同市によると、民間の操縦者の習熟度を向上させ、来年度から緊急時のドローンによる物資配送を可能にする予定。このほかスキー場や火打山の高谷池ヒュッテへの物資配送、農業、観光、インフラ点検、鳥獣害対策などへの導入を進める計画だ。