新潟県立上越総合技術高校の土木防災科3年生7人は、災害時に炊き出し用のかまどとして活用できる「かまどベンチ」を、同校中庭に設置した。万が一に備え2022年11月10日、生徒たちが実際に火を入れてカレーなどを調理し、耐久性を確認した。
かまどベンチは、れんがを組んだ土台に木製の座板を乗せたもの。通常は憩いのベンチとして利用し、災害時は座面を外すことで暖を取り、炊き出しができるかまどへと姿を変える。
老朽化した中庭のベンチを見た昨年度の同科3年生が、非常時に役立つものに替えようと1基目を製作。さらに備えを高めようと、今年増設することとなった。
今回は昨年の設計を基に、耐火れんがを使用するなど改良して強度を高めた。コンクリートの基礎作りから始め、約4か月かけて10月末に完成させた。
この日はかまどの安全性などを確認しようと、設置後初めて火をおこした。生徒たちが中庭で育てていたサツマイモで焼き芋を作り、炊飯、カレーを調理をして味わった。
野田幸太さん(18)は「耐火性や、鍋以外も置けるスペースがあることが確認できて良かった。災害時は不安になると思うけれど、皆で火を囲んで少しでも楽しい気持ちになればうれしい」と話した。
かまどは今後、学園祭などイベントでの活用を考えているという。