トキ鉄前常務が上越地域の観光ガイド本自費出版 駅や沿線の見どころ、歴史満載

新潟県上越市のえちごトキめき鉄道の前常務取締役経営企画部長で今年6月に退任した同市安江の石黒孝良さん(74)が2022年9月10日、トキ鉄沿線の見どころや歴史スポットなどをまとめた書籍「トキ鉄沿線おもてなし紀行」を発刊した。観光客や鉄道ファン、歴史好きにも読み応えのある一冊だ。

「トキ鉄沿線おもてなし紀行」を出版したトキ鉄前常務の石黒さん

上越市出身の石黒さんは、2012年に大手通信会社のグループ企業を定年退職してUターン後、トキ鉄開業1年前の2014年3月に公募の総務部長として入社。その後役員となり、取締役営業部長、常務取締役経営企画部長を歴任した。

書籍発行を思いついたのは、トキ鉄入社のきっかけでもある、通信会社勤務時代に単身赴任先から帰省するたびに感じる古里の衰退だったという。原型は雪月花の運行2年目の2017年に、当時営業部長だった石黒さんが中心となって作成したB5判32ページの観光ガイドブック。おもてなし紀行は、石黒さんがさらに4年間現地取材を重ねて執筆し、退任後約100万円をかけて2000部を自費出版した。

24駅と周辺の見どころが丹念な取材で執筆されている

A5判カラー138ページ。表紙は桜と雪月花や日本海とヒスイ、妙高山といもり池、雪の高田城三重櫓の組み写真で、トキ鉄と糸魚川、妙高、上越の沿線3市の連携を表現した。沿線全22駅に、相互乗り入れをしている富山県のあいの風とやま鉄道の越中宮崎と泊の2駅を加えた計24駅の紹介と駅周辺の見どころや歴史スポットの解説、地元の銘店や料理などを掲載。駅の線路配線図も盛り込んだ。

歴史解説では、北国街道や母校の旧上越市立古城小があった福島城、赤倉観光ホテルなど、特にこだわってページを割いた部分もある。観光ピーアールに役立ててほしいと、沿線3市にぞれぞれ20〜30部を寄贈した。

石黒さんは「この町が大好きでなんとかしたいとの思いで、トキ鉄に8年4か月勤めさせていただいた私の集大成。集客にもつなげたいので地元だけでなく県外の方にも読んでいただけたら」と話している。

定価1000円。春陽館書店、知遊堂上越国府店、上越妙高駅と上越観光物産センターの「さくら百嘉店」などで取り扱っている。問い合わせは石黒さん090-2153-6782まで。