長野の小中学生が上越で海洋プラスチック問題学ぶ 柿崎海岸でごみ拾い

海の生態系に深刻な影響を及ぼす海洋プラスチックごみについて学ぶ長野市の小中学生が2022年8月27日、新潟県上越市柿崎区の柿崎海岸を訪れ、上越市の小学生らとともに漂着ごみを拾った。海岸に打ち上げられた大量のごみを目の当たりにし、海に流れ込む河川の上流地域としてごみ削減の大切さを学んだ。

柿崎海岸で漂着ごみを拾う長野市の子供たち

上越市と長野市の子どもたちの環境交流学習会として初めて開催された。長野市からは小学5年生から中学2年生までの8人、上越市からは小学3〜6年生10人が参加した。参加者はごみ袋とトングを手に流れ着いたペットボトルやプラスチック製品、ライター、漁具などを次々と拾い集めていった=写真=。中にはハングル文字や中国語が書かれたプラスチック容器や注射器などもあり、長野の子どもたちは驚いていた。

30分のごみ拾いで集められた漂着ごみ

海岸清掃後は、上越市の環境カウンセラーの青木ユキ子さんなどを講師に柿崎地区公民館で学習会も開かれた。青木さんは長野の子どもたちに「上越市の海を奇麗にしてくれてありがとう」と感謝の言葉を述べた後、海のごみは川から流れてくるほか、海水浴客などが海岸に置き去りにしたり、船から捨てられたりしていると解説。実際に海岸で拾ってきたプラスチック製品が劣化によって粉々になる様子も見せた。

そして環境を考えてエコマークが付いた商品を選ぶ必要性に触れ、「最初に頑張って行動することでどんどんごみが減り、ゆくゆくは海に流れ着くごみも少なくなっていく。暮らしの中でごみを出す時に海に流れていかないかとか、きちんと処理されているかなどと考えてほしい」と呼び掛けた。

プラスチックなどの海洋ごみについて講師の青木さんの話を聞く子供たち

ペットボトルや韓国の洗剤容器、プラスチック片などを拾ったという、信州大学教育学部付属長野中学校2年の女子生徒(13)は「ごみがあるのは知ってはいたが、あそこまでひどいとは思わずびっくり。長野とは違う。今まで長野はあまり関係ないと思っていたが、川も関係しているので(海のごみを減らすために)長野も頑張っていく必要があると思った」と語った。

長野市環境保全温暖化対策課の赤井基浩主幹兼課長補佐は「なぜごみになるのか、ごみを減らすためにどうすればよいのかなど、体験を通して子供たちなりにいろんなことを感じたと思う。ありがたい有意義な機会になった」と話した。