終戦から77年を迎えた2022年8月15日、新潟県上越市本城町の高田城址公園内にある高田忠霊塔で、高田連合遺族会(田村武男会長)による戦没者追悼法要が執り行われた。戦後80年が近づき、遺族の高齢化が進み、同遺族会は本年度をもって解散する。
太平洋戦争中の1943年に建てられた高田忠霊塔には、明治以降の戦争で亡くなった5300人余りが祭られている。追悼法要は同遺族会が中心となり、高田仏教会や地元企業の協力を得て、毎年、終戦の日に行っている。今年は雨の中、遺族ら約60人が参列。高田仏教会の僧侶4人による読経が響く中、一人一人焼香し、戦没者に手を合わせた。
同遺族会によると、会員はピーク時には約1400人がいたが、現在は約350人。戦没者の遺児の多くが80代以上となり、高齢化が進んでいる。全国でも遺族会の解散が相次いでいて、市内でも地区単位では解散した遺族会もあるという。
田村会長(80)は「いかんせん高齢化で杖をつき、足を引きずり参加している遺族がいる。亡くなる方も多い」と述べ、「連合遺族会は一旦解散するが、多くの市民から協力いただき、次の世代につなげていきたい」と話した。終戦の日の追悼行事は、継続していく予定という。