返礼品は594品 上越市のふるさと納税再スタート 積極活用に方針転換

新潟県上越市は2022年8月1日、ふるさと納税の返礼品に新たに地場産品を加え、ポータルサイト6サイトを通じた寄付の受け付けを開始した。それぞれのサイトには上越産の米や餅、地酒、みそなどの“お礼の品”が並んだ。

上越市の返礼品が掲載されたふるさと納税のポータルサイト「さとふる」

同市はこれまで、自治体間の返礼品競争は「制度本来の趣旨と異なる」として、返礼品を市内の公共施設の入場券や宿泊施設の利用券などに限定していた。7月29日に総務省が発表したふるさと納税の現況調査では、2021年度の寄付額は約2600万円で県内ワースト5位となっている。

昨年就任した中川市長はふるさと納税の積極活用を公約に掲げ方針を転換。本年度の当初予算に返礼品の購入代などに約1700万円、ポータルサイトの手数料などに約700万円の計約2400万円の経費を計上した。特産品や工業製品などの地場産品や市内で提供されるサービスなどを加えて拡充を図り、寄付額は昨年度より倍増の5000万円を目指している。

同市によると8月1日現在、102事業者が594品を返礼品として登録。掲載数はポータルサイトによって異なるが、おおむね1サイトあたり400点以上が出品されている。米や酒、菓子などが多く、実家の墓参りや草刈り代行サービス、シカやイノシシのジビエなどもある。各ポータルサイトの人気上位には全国各地の肉や高級フルーツ、魚介類などがインパクトのある写真でずらりと並んでおり、今後は膨大な数の返礼品の中から同市の返礼品にどれだけ目を向けてもらえるかが鍵となる。

中川市長は7月26日の記者会見で「当市の魅力ある産品を全国に発信し、販路拡大や産業振興につなげたい。今後はトップセールスやイベント、ゆかりの人への周知などのピーアールに力を入れていく」と述べた。返礼品提供事業者と返礼品の追加登録は随時受け付けている。

上越市のふるさと納税の返礼品が掲載されたポータルサイト