新潟県上越市のくびき野森林組合(横田力組合長)は、木材破砕処理事業に使用する大型木材破砕機を新調し2022年7月29日、同市福橋のくびき野リサイクルプラントで関係者にお披露目した。同組合は森林整備で発生する枝葉などを破砕機でチップ化して堆肥(たいひ)にする「循環型林業」に取り組んでいる。
導入した大型木材破砕機はアメリカ製で、全長約13m、幅約2.8m、高さ約3m。上部のドラムに枝などを投入すると、ベルトコンベヤ部からチップが放出される。自走式で移動も可能。約7000万円をかけて導入し、今年4月から本格稼働している。木材チップの大きさによって1日あたり約200〜360tを生産でき、これまで使用していた破砕機に比べ処理能力は約9倍にアップした。年間のチップ生産量は昨年より約500t多い、約5000tを見込んでいる。
同組合は2003年に木材破砕処理事業を開始。枝打ちなどの森林整備で発生する枝葉や、依頼を受け建設現場や個人宅で伐採した樹木を破砕してチップ化している。チップは発酵させて堆肥にし販売や植林時の肥料として使用するほか、のり面工事の吹き付け材の材料としても利用されている。本業の森林整備から伐採、運搬、破砕、堆肥製造まで行う組合は全国的にも珍しいという。
横田組合長は「破砕は木を植え、育て、利用する一連のサイクルの大事な過程」と話した。
破砕したチップとキノコ栽培に使用した廃菌床から作った土壌改良用堆肥「くびき野1号」は、野菜がよく育つと、農家や家庭菜園をする人から好評でリピーターも多いという。20kg450円(取り扱い店や購入方法によって異なる)。同組合の本所(同市青野)、くびき野環境緑化センター(同三和区岡木)などで販売している。問い合わせは 025-520-6200。
▽くびき野森林組合 https://kubikinomori.or.jp/