個人として? 市長として? 中川上越市長 国政選挙対応の“矛盾”弁明

次期参院選(6月22日公示、7月10日投票)について、いずれの候補も応援しないと表明している上越市の中川幹太市長。昨年10月の衆院選では野党候補を応援していたことから、2022年6月15日の市議会で、中川市長の政治姿勢の「矛盾」を指摘する質問があった。

次期参院選新潟選挙区は立憲民主党の現職森裕子氏と自民党新人小林一大県議ら4人が出馬を表明しており、森氏と小林氏の事実上の一騎打ちが予想されている。

中川市長は5月30日の定例記者会見で、次期参院選の対応について「国政選挙であり、政党に寄らない市民目線から判断してどちらにも関わらないのが妥当と思っている」として、「どちらの方にも応援しない」「応援要請があってもどこにも行かない」と表明していた。

15日の市議会では上野公悦議員(共産)がこうした中川市長の政治姿勢が「矛盾している」などと質した。

上野議員の質問を聞く中川市長

中川市長は「市長に就任して以来、中川幹太一個人ではなく、上越市長中川幹太という意識を常に持ち、上越市にとって何が最善かを中心に置き姿勢運営に取り組んできた」と説明し、「前回衆院選の際は一個人としての対応だったが、現在は上越市長として立場を踏まえ、特定の候補者を応援することは控えたい」と答えた。

上野議員は、11日に上越市内で森氏、小林氏の決起集会が開かれた際、中川市長が小林氏だけに激励のメッセージを送っていたことを指摘。中川市長は「小林氏からは集会への出席要請があり、礼儀的に会が盛り上がるようにという祝電を送った。森氏からも出席要請が来れば同じように送っていた」と説明した。

上野議員は「市長の一つ一つの意見、行動は市民に大きな影響を及ぼす。『どちらにも関わらない』というなら、誤解を招くメッセージを送るべきではない。言動に気を付けてほしい」と注文した。