観桜会開催中の高田城址公園にポツンとハクチョウ1羽 保健所「そっと見守って」

「第97回高田城址公園観桜会」が開かれている新潟県上越市の高田城址公園の北堀に、渡りの季節を過ぎてもシベリアに帰らず、居残っているオオハクチョウが1羽いる。羽が折れて飛べず、取り残されたとみられ、県上越地域振興局健康福祉環境部(上越保健所)の環境センター環境課は「野生動物なのでストレスを与えないよう、そっと見守ってほしい」と呼び掛けている。

高田城址公園北堀に1羽残るオオハクチョウ(2022年4月5日撮影)

同市内では上吉野池(上吉野)や朝日池(大潟区朝日池)がハクチョウ飛来地として知られているが、市街地に近い高田城址公園の外堀にも毎年飛来が確認されている。

今年も北堀や南堀に十数羽の群れが飛来し、3月中に北帰行。何らかの理由で右の羽の一部が折れたこの1羽だけが、桜が咲く季節になっても残っている。北堀で餌をついばもうと頻繁に頭を水中深く突っ込んだり、岸に上がって羽を休めたりしている。

同センター環境課などによると、体の大きいハクチョウの捕獲は難しく、無理に捕まえようとすると、逆に衰弱させることがあり、保護しても餌を食べない個体もいるという。同センター環境課は今回のケースについて、「羽ばたくなど元気で、餌も自分で採れているため、見守りを継続する」としている。2週間ごとに状況を確認し、衰弱するなどの変化があった場合に捕獲を検討するという。

同公園はまもなくソメイヨシノが開花し、満開ともなれば大勢の花見客が訪れる。同センター環境課の担当者は「基本は自然に任せる。そっと見守ってほしい」と話している。

「ケガをしているハクチョウを見つけたら」(新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里)