「かんずり」新工場完成 国際規格取得し海外へ羽ばたく

新潟県妙高市西条の辛味調味料メーカー「かんずり」の新工場が完成し、2022年6月7日、建物内部が公開された。海外での販売拡大を目指し、食品安全の国際規格ISO22000の取得を前提に建設した。7月中の稼働を目指している。

本社工場・店舗に隣接して建設した新工場を前に立つ東條昭人社長(左)と東條邦昭会長

本社に隣接して建設された新工場は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約1000平方m。1階の工場では、搬入口から運び込まれたトウガラシなどの原料が、洗浄、熟成発酵、瓶の洗浄・充填・シール、加熱殺菌などを経て、製品として出荷されるまでの工程が一方通行で配置されている。生かんずりを保管する冷蔵・冷凍庫も設置された。2階は資材置き場として使用する。

かんずりを熟成させる倉庫。約1000樽が収蔵できる

東條昭人社長は「今後は国内だけではなく、アメリカなどの国外への輸出を拡大するため、10年前に新工場の計画を立てた。それにはHACCPの導入や、ISO22000の認証取得が必須のため、1年前から社内にチームを作って対応してきた。ISOは来年7月を目処に取得し、海外に商品を流通させたい」と話した。

現工場は1日2000本~3000本の製造が限界だが、新工場ではスタッフを増員せずに2倍以上に製造能力が高まる。新工場はかんずり6品目の製造に特化し、現工場ではかんずり漬けや、かんずり酒盗などの加工品を製造する。

かんずりは、塩漬けのトウガラシを雪にさらしてアクを抜き、ユズや糀を混ぜて長期間熟成発酵させた香辛調味料。鍋物、ラーメン、みそ汁に入れるなど、幅広い用途に使われる。近年は大手食品メーカーとのコラボレーションによるスナック菓子、ラーメンなどが多数発売されている。

◇有限会社かんずり公式サイト
https://kanzuri.com/