売上激減で弁当や持ち帰りに注力 上越市内の飲食店

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、新潟県上越市内の飲食店で宴会のキャンセルや客の減少が相次いでいる。飲食店の中には、料理のテイクアウトや弁当販売などに力を入れる動きが出ている。

市内に日本料理店3店舗を展開する松風園藤作グループでは、歓送迎会などのキャンセルが相次ぎ、3月の売り上げが昨年比で約70%減少する見込みだ。

このため、通年で提供している仕出し弁当やオードブル、刺し身盛りなどの仕出しサービスを、新聞の折り込みちらしや同社のホームページ、SNSなどでピーアール。宴会予約を取り消す代わりに弁当やオードブルを依頼する客もおり、昨年より注文数は多くなっている。臨時休校中の学校に出勤している教職員から、昼食用弁当のまとまった注文もあった。

注文が増えている藤作別館(本町3)の仕出し弁当
20200309飲食店テイクアウト1

同社の笹川豪太専務(32)は「料理の味は仕出しでも変わらない。送別会などの時期なので、ぜひ職場やご家庭でお祝いをしていただけたら」と話している。仕出し弁当は1500円(税別)から、オードブルと刺し身盛りは4人前5000円(同)からだが、予算に合わせて料理内容の相談にも対応する。一定額以上は配達も行う。

同市本町5のイタリア料理店「ガンバコルタ」は、学校の休校などで行動が制限され、外食も控えてストレスを感じている人に自宅で外食気分を味わってほしいと、あらたにテイクアウトメニューを始めた。同店では、歓送迎会をはじめ大小にかかわらず宴会の予約は全てキャンセルになったという。

ガンバコルタが新たに販売を始めたテイクアウトメニュー
ガンバコルタ2

テイクアウトメニューの「ピアット ウニコ」は前菜3種、パスタ、主菜の盛り合わせで、日替わりで1200円(税込み)。ある日の一例では、前菜はイタリア風オムレツやポテトサラダ、パスタはフルーツトマトとカジキの自家製コンフィのパスタサラダ、主菜は本マスのカツレツ。店の味をそのまま家庭で味わえ、それぞれ温め直す必要ない冷めてもおいしいメニューを選んでいるという。

オーナーシェフの佐藤高広さん(47)は「おいしいものを食べると気が晴れる。ちょっとでも嫌なことを忘れて楽しんでいただけるようにしたい」と語った。パスタや前菜の盛り合わせなどの単品メニューも持ち帰りできるほか、他の料理のテイクアウトの相談にも応じる。前日までに電話予約する。31日まで販売予定。

問い合わせは、松風園藤作 (025-543-2154)ほか各店舗、ガンバコルタ025-522-6868)。