前島密だけだった1円切手に新デザイン 出身地上越市の関係者に衝撃!?

1円切手に2021年4月から、日本郵便のキャラクター「ぽすくま」が加わる。約70年間、1円切手は「郵便の父」として知られる前島密の肖像が唯一の絵柄だったことから、前島の出身地、新潟県上越市の関係者には衝撃をもって受けとめられている。

ぽすくまの1円切手登場のきっかけは、昨年、朝日新聞と毎日新聞の読者投稿欄に掲載された投書。前島の切手について、「いかめしい顔つきが違和感」「かわいい絵はがきにあわない」といったもので、投書を目にした日本郵政の増田寬也社長が「違うデザインの切手の潜在的なニーズが高い」とグループ傘下の日本郵便に提案したという。これを受けて日本郵便は約70年ぶりの新切手投入に踏み切った。

ぽすくまと前島の1円切手(写真・日本郵便提供) 1

上越市には下池部の前島の生家跡に「郵便の父」の業績を伝える前島記念館があるほか、子供のころから社会科などで郷土の偉人として学んでおり、1円切手の前島をよく知っている。

同市で活動する「郷土の偉人前島密翁を顕彰する会」の堀井靖功会長(79)は、「(前島の肖像が)『いかめしい』と批判されたのは残念」とした上で、「日本郵便には新しい1円切手の発売をきっかけに、前島の功績を広く周知する機会となるような工夫をしてほしい」と話している。

クマのぬいぐるみの「郵便屋さん」ぽすくまの切手は4月14日に発売される。ぽすくまの切手は1億枚限定のため、前島が1円切手の座を完全に明け渡したわけではない。

▽前島記念館 https://www.postalmuseum.jp/guide/maeshima.html

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