図書館など小中高生の利用お断り 児童クラブは特別開設 休校初日の上越市

新型コロナウイルスの感染防止のため、新潟県上越市立小中学校の臨時休校が2020年3月4日から始まった。初日から、市内51か所の放課後児童クラブが特別開設され、児童たちは部屋で勉強したり、体育館で遊んだりして一日を過ごした。一方、上越市は同日から、市の公共施設について小中高校生を対象に利用制限を始めた。図書館などに張り紙が掲示され、小中高生は3月24日まで、図書館や体育施設などを利用できない。

児童クラブ51か所特別開設 児童ら離れて着座

市立春日新田小内にある春日新田小放課後児童クラブには、朝から児童が出勤前の保護者とともに次々と訪れた。午前10時の時点で、普段利用していない緊急利用の児童4人を含め31人が利用。午前8時30分の開設時には、小学校の教員1人が受付業務のサポートにあたった。5人の支援員は、手の消毒やマスク着用、勉強時間には長机に3人以上座らないことなどを指導していた。

春日新田小放課後児童クラブで離れて勉強する児童 児童クラブ2

5年生と1年生の娘が今回初めて児童クラブを利用するという30歳代の夫婦は「急に休校になり戸惑っている。祖父母がいる家ばかりではない。クラブがなかったら、順番に仕事を休まなれけばならなかった」と話した。また急きょ他の児童クラブの支援員として勤務することになったという30歳代の教育補助員の母親は、1年生の女児を預けた。「子どもを預けるため、8時30分の開設時間には間に合わないので、勤務時間を遅らせてもらい助かった」と話し、足早に職場に向かった。

同クラブは通常約50人の利用があるが、特別開設を利用しない児童もおり、初日は夏休みなどの長期休業時より人数は少なかった。利用人数に応じて学校の教室も使用するほか、1日に1回は小学校の教員が児童の様子を確認するという。

3年生の男児は「休校と聞いて、がっかりだった。もっとクラスのみんなと遊んだり勉強したりしたかったけど、クラブには友達がいるからいい」と笑顔で話していた。

「本借りられなくて残念」 図書館など利用制限始まる

上越市は小中学校の臨時休校に伴い図書館や体育施設など市の公共施設の小中高校生の利用制限を始めた。具体的には高田公園オーレンプラザや直江津学びの交流館、総合体育館、高田スポーツセンターなど屋内の施設が対象となる。公園は屋外のため利用制限はない。

高田図書館入り口の掲示 20200304コロナ_図書館

児童生徒が多く利用する市立図書館では、小中高校生は館内での学習はもちろん、本を借りることもできない。

初日の3月4日、小学3年生の孫の女児と高田図書館を訪れた三和区の60歳代の女性は、「臨時休校で孫を預かっている。本好きの孫が自宅で読めるようにと図書館に来たが、残念だけど仕方ない」。孫の女児は「本が借りられなくて少し残念。お母さんに買ってもらった本を読もうと思う」と話し、帰っていった。

市は「不要不急の外出を控えて自宅で過ごしてもらいたい」としている。

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