新潟県上越市西城町1の上越保健医療福祉専門学校(平林明美校長)が2020年度入学生の募集を停止した。平林校長は「2015年頃から入学生の減少が続いて経営に困難をきたし、苦渋の決断に至った」としている。
同校は1997年4月、上越地域唯一の「介護福祉士養成校」として開校した。「『和・道』医療福祉グループ」の一つ、学校法人「仁寿会」(川室優理事長)が運営。上越地域を中心に、柏崎市などから、高卒者のみならず、社会人経験者らが2年課程で学んできた。現在の1年が23期生となり、2019年3月現在の卒業生は582人に上る。平林校長によると15年度以降から次第に学生数が減少。現在は1年7人、2年5人の計12人が通う。
当初は同校を含む養成施設で学ぶと、卒業と同時に試験なしで国家資格の「介護福祉士」資格を取得することができたことから、入学希望者も多く、開校当時は1学年定員35人、2学年で計70人が在籍し、校内はにぎわいをみせていた。後に社会福祉士及び介護福祉士法の改正に伴い、介護福祉士資格取得には国家試験の受験が必要となったことなどが入学希望者数減少に影響したと見られる。
同校によると、募集停止に関しては昨年5月、平林校長らが上越地域の各高校に出向いて校長や進路担当職員らに周知した。平林校長は「学生が集まらないことには経営は成り立たない。ただ、今回の決断は閉校ではなく、新たな出発の始まりにしたい。時間はかかるかもしれないけれど学校の未来について十分に検討して再建できれば」と述べた。
今後について平林校長は、現在同校で学ぶ学生に対してより一層の学習環境を整えるほか、学生が学ぶ姿を広く市民らから知ってもらいたいと言う。「様々な課題を達成して未来につなげていきたい」と話している。