新潟県上越市内で2014年12月10、11日、息子の名前をかたって高齢者を狙うオレオレ詐欺の前兆電話が相次いだ。いずれもうその電話と気付いたため、金品の被害はなかったものの、家族による緊急の用件を装い夜遅くに電話して来るなど新たな手口だ。上越警察署では「子供だと誤認させるため、夜間や深夜に電話をかけてくることもある。昼間はもちろん、夜間も十分に注意してほしい」と呼び掛けている。
上越警察署に2日間で4件の届けがあった。いずれも電話は夜だった。
大町3の70代女性宅には12月10日午後9時10分頃、男から電話があった。女性が息子と思い、息子の名前を呼んだところ、男は「そうだ」と答えたという。その後、「会社に携帯電話を置いてきた。明日会社から電話があるかもしれないから1人でいてほしい」と話してきた。しかし、以前にも前兆電話がかかってきたことがあり、女性が息子に電話で確認したところ、事実ではなかったことが判明した。
安塚区の60代女性宅には12月10日午後11時30分頃、男から電話があり、「風邪を引き、喉の奥にしこりができて声が変わった」「衣服を洗濯するときに誤って携帯電話も洗濯してしまい壊してしまった」と言い、代用の携帯電話の番号を教え、「登録しておいて。また明日電話するよ」と話があったという。女性は男と息子の声が全く違ったことなどを不審に思い、息子に確認の電話を入れたところ、事実ではなかったことが判明した。
大貫4の70代男性宅には12月11日午後8時頃、男の声で息子の名をかたって「風邪を引いいて具合が悪く、会社を早退した。明日医者に行ってから、また家に電話する」との電話があった。男性宅には以前にも息子をかたった不審な電話があり、息子に確認の電話を入れたところ、事実ではなかったことが判明した。
南高田の80代女性宅には12月11日午後8時10分頃、男の声で息子の名をかたり「…(息子の名)…だけど」という電話があった。声が息子と違うことに気付いた女性はすぐに電話を切り、息子に確認の電話を入れたところ、事実ではなかったことが判明した。
上越警察署管内の今年の特殊詐欺の被害額は1億円を超えており、過去最悪に迫るペースとなっている。