建設費10億円増え当初の1.6倍に 厚生産業会館基本設計まとまる

新潟県上越市は2014年9月8日、仮称・厚生産業会館の基本設計を市議会建設企業常任委員会で報告した。これまで18億3500万円とされてきた建設費が、10億6000万円増額され28億9500万円と約1.6倍になった。市民参加型ワークショップでの提案などを反映したことや建築資材の高騰などが理由。

仮称・厚生産業会館の建設は村山秀幸市長の公約。600席規模のホール、公民館、こども施設の三つの機能からなり、高田公園内の高田図書館西側のプール跡地に建設される。

今年5月にまとめた基本構想では、施設は2階建てだったが、ワークショップでの利用者の提案を受けて、基本設計では平屋構造にした。またホールなどに大型の可動式の間仕切りを付けたほか、親子室や楽屋のシャワー室などを新たに加えた。

基本設計で示された完成イメージ
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建設費総額の増額分10億6000万円のうち、市民ワークショップの提案などによるものが5億3800万円で51%を占めている。このほか、建設資材の高騰などによる分が3億1600万円で30%、消費税増税によるものが1億3200万円で12%、環境や維持管理への配慮によるものが7400万円で7%を占めている。

財源として国の交付金や合併特例債を活用するため、市の負担額は、当初の3億6883万円から、1億2316万円増えて4億9196万円となる。市は実質の負担額の増加分や補助金の活用のタイミングなどから、建設費増額を判断した。市川公男都市整備部長は「市民の要望を可能な限り実現しつつ、経済性にも配慮した」と説明した。

議員からは「約6割増しという大幅な費用増は当初計画から変わったと考えるべき。いったん白紙に戻して再度市民に問い直す考えはないか」という質問が出たが、野口和広副市長は「現時点では考えていない」と答弁した。

市は今後、年度内に実施設計を行い、来年度から本体工事に着手し、2017年度の供用開始を目指している。

↓今回の基本設計についての市議会での説明資料
http://www.joetsutj.com/kensetukigyouiinnkai20140908.pdf

*仮称・厚生産業会館に関するこれまでの記事はこちら

↓上越市による仮称・厚生産業会館のこれまでの経緯まとめ(公式)
http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/toshiseibi/kouseisangyokaikan.html