芥川賞候補の作家、小林エリカさんの母親は上越市出身

新潟県妙高市栗原5の書店「文教堂新井店」(藤島隆志店長)は、このほど芥川賞の候補になった作家、小林エリカさん(36)の母が上越市板倉区出身であることにちなみ、店内に本と絵、サイン色紙などを展示したコーナーを設置した。

小林エリカさんのコーナーを店内に設置した木村恵子さん
文教堂木村恵子さんS

小林エリカさんは、2014年7月に刊行した初の長編小説『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)が、第27回三島由紀夫賞候補、第151回芥川龍之介賞候補になり、サイン会などにひっぱりだこの人気。漫画家、画家としても多彩な才能を発揮している。

エリカさんの父は精神科医、作家、翻訳家として知られ、2010年に81歳で亡くなった小林司さん。司さんの妻(エリカさんの母)、洋子さんは1947年に新潟県上越市板倉区沢田で、4人きょうだいの次女として生まれた。東京の萩原家に養女に入ったため、略歴などでは東京都出身となっている。

洋子さんは夫とともに日本シャーロック・ホームズ・クラブを創立し、熱心なシャーロキアンとして知られる。ペンネームは東山あかねで、夫との共著で、『シャーロック・ホームズの醜聞』『図説 シャーロック・ホームズ』をはじめ、多数刊行している。2009年には夫の闘病を描いた「脳卒中サバイバル-精神科医と妻の闘病日誌」という著書も出している。東京都練馬区在住。

本のタイトルにちなんだ朝食の絵を展示
小林エリカ絵

同店店員で板倉区在住の木村恵子さんが、エリカさんの伯父である妙高市在住の恩師からエリカさんの母のことを聞き、洋子さんやエリカさんの協力も得て、店内に特設コーナーを設置した。エリカさんが銀座の画廊で開いた個展に出品したシルクスクリーン作品や、サイン色紙が本とともに設置されている。

『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)
小林エリカ本

芥川賞候補作『マダム・キュリーと朝食を』は、「東の都市」へと流れて来た猫と、震災の年に生まれた少女・雛(ひな)。目に見えないはずの放射能を、猫は「光」として見、少女の祖母は「声」として聞く。 キュリー夫人やエジソンなど、実際のエネルギー史を織り交ぜながら時空を自在に行き来し、見えないものの存在を問いかける未来小説。定価1404円。

↓小林エリカさん公式サイト
http://erikakobayashi.com/

↓ネット上で閲覧出来る作品「わたしはミエロ」
http://mielo.libropormielo.com/