上越市ガス水道局の公共工事で5年間にわたって談合が行われてきたという指摘が2013年12月16日、上越市議会であった。談合に参加してきた業者が公正取引委員会に提出したという資料をもとに、橋爪法一議員(共産)が指摘した。資料には、談合の日時や場所、業者名、対象工事とその結果などが具体的に記載されているといい、市ガス水道局では資料提供を受けた上で調査する方針だ。
橋爪議員は市長部局と市ガス水道局の入札についての一般質問の中で、市内の業者が昨年2月に公取委に提出したという資料を読み上げた。
資料は先月、日本共産党上越市議員団に寄せられたという。少なくとも2006年4月から2011年6月までの間、資料を寄せたこの業者を含む市内の14業者が談合していたという。資料には、このうち5社が調整役となり、各社の年間受注予定金額を決めてきた様子や、担当者同士のやり取りなどが赤裸々に記載されている。また、談合の事実を裏付ける、談合を行った日時、場所、その入札結果、担当者の電話連絡表、2009~2011年度の年間受注予定金額などの資料も添付されているという。
この業者は2011年7月からは談合をやめたというが、その後同社が参加した入札では、最低制限価格ぎりぎりの金額で他の業者が落札し、同社が参加しない入札は逆に高い落札率になっているという。予定価格は2011年6月から事後公表とされているため橋爪議員は、市ガス水道局側から業者に予定価格などの情報が漏れていた可能性も指摘した。
市ガス水道局の宮越浩司局長は「事実だとすればゆゆしき内容だ。資料を提供してもらいつぶさに調査する」と答えた。
談合の情況証拠? 「1位不動」が100%
上越市ガス水道局の2012年度の入札件数は277件。このうち1回目の入札で予定価格を下回った業者がなく、再入札、再々入札を実施した件数は12件だった。この12件全てが、最初から最後まで最低入札金額者が変わらない「1位不動」となっていることが市議会で明らかになった。 1回目の入札の最低入札金額者が、そのまま2回目以降も最低入札金額者となって事業を受注するのは、談合があった可能性が高いとされ、この「1位不動」は市民オンブズマンなどの見方では一般的に「談合の状況証拠」とも言われている。 上越市ガス水道局の昨年度の場合、この「1位不動」の率が100%だった。 ◇上越市ガス水道局の入札結果のページ(2008年度から今年11月までの工事の入札について落札業者、入札額などを記載した文書を掲載している) http://gwhp.city.joetsu.niigata.jp/nyusatu/result.html今回の談合疑惑に関する資料】
↓談合疑惑を告発した業者が公正取引委員会に提出したとされる資料(橋爪同議員団長のウエブサイトへのリンク)- 資料1(http://www.hose1.jp/sigidannnyuusu/siryou1312171.pdf)
- 資料2(http://www.hose1.jp/sigidannnyuusu/siryou1312173.pdf)