上越市が10月に施設ネット予約システム導入

新潟県上越市は2012年10月1日から、市公共施設のインターネット予約システムを開始する。対象施設はリージョンプラザ上越、市民プラザ、教育プラザ(研修棟・体育館)、ユートピアくびき、はーとぴあ中郷、直江津学びの交流館、春日謙信交流館、カルチャーセンターの8施設。

予約システムのトップページイメージ
予約システム

これまでは、施設ごとに管理者がそれぞれ予約状況を把握していたため、類似の他施設の空き状況は分からず、利用者は複数の施設に問い合わせる必要があった。今回のシステム導入により、利用者が複数施設の予約状況を一覧できるようになる。今回、市は利用者の多い8施設で先行的に導入し、今後ほかの施設への拡大も検討する。

システムはウェブサイトで施設の空き状況が閲覧できるほか、利用者登録をすると予約も可能になる。施設名だけでなく、スポーツ、会議などの利用内容と地区で検索できる。サイトはパソコンや携帯電話から閲覧でき、24時間利用できる。同じ日時に複数の利用者が予約を申込んだ場合は抽選で決まるが、市民プラザは抽選を行わないので先着順になる。

予約はリージョンプラザと教育プラザが1か月前、他は6か月前に受け付け、月の始めに抽選を行う。結果は抽選の翌日にメールで通知される。抽選が終わると、空いている日時に予約できる「空き予約」が可能になる。

たとえば、来年5月に謙信交流館を予約したい場合、6か月前である今年11月1~6日の間に申し込み、11月7日に抽選が行われる。当選したら仮予約状態になり、8~17日の間に施設の窓口で申し込み手続きをすると本予約になる。11月18日~5月の間で利用する場合は空き予約のみ行える。

電話や窓口での予約も継続するので、インターネット環境がない人も従来通り利用できる。

予約システムへは10月1日以降に上越市ホームページの右側メニューにある「公共施設予約」からアクセスできる。10月1日からは施設の空き状況の閲覧と利用者申請が行えるようになり、22日から空き予約、11月1日から抽選の申し込みができる。

長崎県の「自治体クラウドサービス」を活用

今回、上越市が導入する予約システムは、長崎県が運用している「自治体クラウドサービス」を活用している。

インターネット上での各種のサービスを提供するクラウドシステムを自ら構築・運用すると多額の費用がかかる。長崎県は独自のシステムを作り、県外の自治体にも有料で開放している。利用する自治体は、住民1人年間10円の利用料を支払うのみで、システムの構築・管理を行うことなく、安価に利用できるというメリットがある。

上越市の場合、今回の予約システムを通常の業者に依頼すると約1000万円かかるところ、人口約20万人で一人10円なので、200万円程度で済むという。